不動産コンサルティング業務は、「不動産に関する専門的知識・技能を活用し、公正かつ客観的な立場から、不動産の利用、取得、処分、管理、事業経営及び投資等について、不動産の物件・市場等の調査・分析等をもとに、依頼者が最善の選択や意思決定を行えるように企画、調整し、提案する業務」です。
このことから[事業]・[実務] の科目では、不動産取引に関する専門知識だけでなく不動産を取り巻く環境を分析する能力および事業計画能力、企画提案能力などが要求され、さらには様々な不動産の開発・活用手法をはじめ、不動産投資や資産の組み換え、不動産の証券化、相続対策、既存建物の有効活用に関連する様々な提案などに関する幅広い知識が必要となります。また、依頼者との会話の中で依頼の動機・目的や背景、資産状況、家族関係等をヒアリングし的確に把握することも重要なポイントとなります。
[事業]・[実務] の主なポイントは次のとおりです。
[事業] については、不動産コンサルティング技能登録制度や関連する法令・業務に関する最近の動きをはじめ、不動産コンサルティングの相談受付から企画提案書の提出に至る一連の作業、すなわち相談受付、業務委託契約、調査、事業構想の策定、資金調達、事業収支、企画提案書等に関する実践的な知識が求められます。
また、個別の事業手法や関連業務に関する基礎的知識も必要です。具体的な項目の例としては事業受託方式、等価交換事業・固定資産の交換、定期借地権・定期借家権、テナント計画、建物の設計・施工、賃貸管理、不動産の証券化、不動産投資分析、CRE戦略、相続対策提案に関連する項目(背景、任意後見・民事信託やプライベート・カンパニー等の制度の活用)、既存建物の課題解決に関する項目(建替え、リノベーション・コンバージョン等)などがあります。特に少子高齢社会の進展や空き家の増加及び既存住宅流通の活性化等の政策などにも関連して、相続対策提案や既存建物の活用にも注目が集まっています。
[実務] は、不動産コンサルティングの実務知識に関する内容です。具体的には土地有効活用コンサルティング、定期借地権・定期借家権のコンサルティング、相続対策提案、不動産の証券化、既存建物に関するコンサルティング等、不動産コンサルティングに係る応用事例について依頼者ニーズに応えるために必要な法律、税制、建築を含めた総合的な知識と能力の活用が求められる問題です。