境界を確定することは、取引対象となる土地の範囲を特定するという、取引の基本中の基本です。しかし、境界の確定には、隣地所有者との過去の経緯や利害、場合によっては感情的対立等が交錯し、円滑に確定作業が進むとは限りません。媒介業者は、境界確定の原点を理解し、境界確定のトラブルを防止し不動産取引を円滑に進めることが大変重要です。
参考
境界確定のトラブル発生要因には、様々なものがあります。筆界と所有権界の区別がついていないことで起こることがあります。
境界について、関係者の主張の食い違いが確定できないときは、筆界特定制度を活用し、先ず筆界を特定させ、越境物の問題として、その解消方法や解消時期(増築・改築・再建築時期までは容認する等)を話し合いで解決しましょう。
○下図のA 画地の建物の一部や塀がB’- C’線まで及んでいる場合、① A・B 両画地の所有者ともに、筆界と所有権界はともにB - C 線で、A 画地の建物の一部や塀は越境物と認識するか、② A 画地の所有者は、そもそも筆界と所有権界はB’- C’線と主張し、越境物はないと争うか、③筆界はB - C 線で確定しても、A 画地の所有者は、時効取得により所有権界はB’- C’線と主張するかの問題といえます。