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ここでは、当センターが行っている不動産相談の中で、消費者や不動産業者の方々に有益と思われる相談内容をQ&A形式のかたちにして掲載しています。
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売買事例 1012-B-0127
代理委任により不動産売買を行う場合の注意点

 不動産の購入者希望者である妹が、兄にその購入代理を委任する。その場合の委任状はどのように作成したらよいか。書類の上で本人の購入意思が確認できれば、本人に一度も会わなくても、法的に問題ないか。

事実関係

 当社は媒介業者であるが、このたび来社した顧客から、「地方に住んでいる妹が都会のマンションを購入したいということで、自分(兄)を代理人にすると言っている。ついては、どのような委任状を取り付けたらよいか」という相談があった。

質問

1.  白紙委任状では問題が生じたときに困るので、できるだけ具体的な内容の委任状にしたいと思っているが、どのような内容の委任状にすればよいか。
2.  妹さんには、委任状に「実印」を押してもらい、その「印鑑証明書」と「住民票」を各1通ずつ送ってもらえばよいか。
 なお、妹さんは相続で得た現預金があるので、ローンは一切使わないという。
3.  妹さんは、現在身体が不自由なので、物件を見にくることができないし、契約にも出てこれないというが、そのような状況の中で、妹さんに1回も会わないで、兄を代理人として売買契約を締結しても法的に問題ないか。

回答

 質問1.について ― 委任状には、委任内容として、できれば売買物件を表示したうえで、その契約条件(売買価額、手付金の額、決済引渡しの予定日等)についても明記しておきたいが、媒介契約段階からの委任ということになれば、希望物件の表示や契約条件等については抽象的にならざるを得ない。したがって、その場合には、「末尾沿線所在マンション(購入希望価額金○○○○万円~金○○○○万円)の購入に伴う媒介契約の締結、重要事項説明の受領、その他売買契約の締結に関する一切の権限」という包括委任文言を入れて作成せざるを得ない。
 質問2.について ― 委任状と一緒に本人から送ってもらう書類は、「印鑑証明書」と「住民票」だけでよいが、その前に、受任者であるお兄さん(つまり、貴社)の方から送るものとして、物件の特定ができた段階で、最低でも物件の所在がわかる地図(住宅地図など)と、物件の内外および周辺の写真(パンフレットがあれば、そのパンフレットの写し)を妹さん本人に送り、媒介業者としての「本人の購入意思の確認」をしておくことが必要である。
 質問3.について ― 「本人の購入意思の確認」と併せ、買主(妹さん)の「本人確認」をするために、1回は妹さんの自宅を訪問する必要がある(犯罪による収益の移転防止に関する法律第4条)。

参照条文

  犯罪による収益の移転防止に関する法律第4条(本人確認義務等)
   特定事業者(中略)は、顧客(中略)又はこれに準ずる者として政令で定める者(以下「顧客等」という。)との間で、次の表の上欄に掲げる特定事業者の区分に応じそれぞれ同表の中欄に定める業務(以下「特定業務」という。)のうち同表の下欄に定める取引(以下「特定取引」という。)を行うに際しては、運転免許証の提示を受ける方法その他の主務省令で定める方法により、当該顧客等について、本人特定事項(中略)の確認(以下「本人確認」という。)を行わなければならない。
    特定事業者 特定業務 特定取引
    第2条第2項第36号に掲げる者(宅地建物取引業者) 宅地建物取引業のうち、宅地(中略)若しくは建物(中略)の売買又はその代理若しくは媒介に係るもの 宅地又は建物の売買契約の締結その他の政令で定める取引
 

②~④ (略)

監修者のコメント

 売却依頼の場合には、無権代理による契約のことを十分注意しなければならないが、それに比べて購入の場合は無権代理という紛争事案はあまり多くはない。しかし、たとえ実印を押した委任状があったとしても、それで実質的な代理権の授与が当然に認められるわけではないので、本人の意思確認は最低限必要である。代理権があると言っている兄が、本人である妹に媒介業者が確認することを嫌うようなことがあれば、なおさら本人の意思を確認する責任があるというべきである。
 なお、回答にあるとおり、売買であるから、犯罪収益移転防止法との関係でも、本人に接触する法律上の義務がある。

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