公益財団法人不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター) > 不動産相談 > 売買 > 倒産した分譲会社名義の前面道路に他の倒産会社の抵当権が付いたままになっている旧分譲地の買収と建売事業の是非

不動産相談

当センターでは、不動産取引に関するご相談を
電話にて無料で受け付けています。

専用電話:03-5843-208110:00~16:00(土日祝、年末年始 除く)

相談内容:不動産取引に関する相談(消費者、不動産業者等のご相談に応じます)

<ご注意>
◎ たいへん多くの方からご相談を受け付けており、通話中の場合があります。ご了承ください。
◎ ご相談・ご質問は、簡潔にお願いします。
◎ 既に訴訟になっている事案については、原則ご相談をお受けできません。ご担当の弁護士等と協議してください。

ホームページに掲載しています不動産相談事例の「回答」「参照条文」「参照判例」「監修者のコメント」は、改正民法(令和2年4月1日施行)に依らず、旧民法で表示されているものが含まれております。適宜、改正民法を参照または読み替えていただくようお願いいたします。

== 更に詳しい相談を希望される方は、当センター認定の全国の資格保有者へ ==

不動産のプロフェッショナル

ここでは、当センターが行っている不動産相談の中で、消費者や不動産業者の方々に有益と思われる相談内容をQ&A形式のかたちにして掲載しています。
掲載されている回答は、あくまでも個別の相談内容に即したものであることをご了承のうえご参照ください。
掲載にあたっては、プライバシーの保護のため、相談者等の氏名・企業名はすべて匿名にしてあります。
また、参照条文は、事例掲載日現在の法令に依っています。

2112-B-0297
倒産した分譲会社名義の前面道路に他の倒産会社の抵当権が付いたままになっている旧分譲地の買収と建売事業の是非

 当社は、このたび建売業者として、倒産した会社が分譲した土地を買収し分譲事業を行う。しかし具合が悪いことに、その前面道路は倒産した分譲会社名義のままになっており、そのうえその道路には同じく倒産したと思われる他の会社名義の抵当権の登記がなされている。
 このような土地を買収し、建売事業を行っても問題ないか。もし問題があるとした場合、どのようにすれば問題が解決するか。

事実関係

 当社は不動産の売買の媒介と建売事業を営んでいる宅建業者であるが、このたび当社が買収しようと思っている土地は50年以上前に分譲された土地で、その所有者は一般の個人である。
 しかし、その分譲会社はすでに倒産しており、実体がないにもかかわらず、その前面道路における所有権の登記だけが残っており、かつ、その前面道路にはある会社の抵当権の登記もなされている。
 なお、この2つの会社はいずれも現在閉鎖登記簿も廃棄されており、その所在が知れない(商業登記規則第34条第4項第2号、後記【参照通達】参照)。

質 問

 当社はこのような土地を買収し建売事業を行おうと思っているが、分譲しても問題ないか。

回 答

 全く問題ないとはいえないが、貴社が現状のまま土地を買収し、その前面道路について、建売住宅購入者に対し、「この道路は他人名義の道路ではあるが、その管理については、将来的にも諸費用の負担も含め、分譲地の他の購入者とともに行っていかざるを得ない」旨の説明をしたうえで物件を引き渡すのであれば、その時点における対応としては、購入者にそれ以上の損害が生じるとは考えにくい。したがって、購入者へのその後の対応としては、その前提となる分譲会社と金融会社の所在が知れないため、道路の所有権の取得や抵当権の登記の抹消は時間もかかり難しいが、道路の使用については特段の問題は生じないと考えられる旨の説明をしたうえで、買主納得のうえでの分譲であれば、建売業者としての分譲は許されよう。

参照条文

 商業登記規則第34条(帳簿等)
  ~③ (略)
   次の各号に掲げる帳簿等の保存期間は、当該各号に定めるとおりとする。
 登記所は、帳簿等を次の区別に従って保存しなければならない。
     登記簿        永久
     閉鎖した登記記録   閉鎖した日から20年間
    ~二十八 (略)
 商業登記規則第81条(登記記録の閉鎖等)
   次に掲げる場合には、登記官は、当該登記記録を閉鎖することができる。
     解散の登記をした後10年を経過したとき。
     (略)
  〜⑥ (略)

参照通達

 民事局長通達昭和63年7月1日民三3456号「不動産登記法の一部改正に伴う登記事務の取扱いについて」(要旨)
 法人である「登記義務者の所在が知れない」とは、その法人を記録する登記記録が存在しないうえに閉鎖登記簿が廃棄済であるなどのために法人の存在を確認することができない場合などをいう。

監修者のコメント

 本ケースにおける建売分譲自体は、前面道路の権利状態を購入者に説明し、購入者が納得した上であれば問題はないが、このようなケースで注意すべきことは、道路の権利問題について、あたかも近い将来一定の措置を採ってノーマルな権利関係に是正することを安易に約束しないことである。

当センターでは、不動産取引に関するご相談を
電話にて無料で受け付けています。

専用電話:03-5843-208110:00~16:00(土日祝、年末年始 除く)

相談内容:不動産取引に関する相談(消費者、不動産業者等のご相談に応じます)

<ご注意>
◎ たいへん多くの方からご相談を受け付けており、通話中の場合があります。ご了承ください。
◎ ご相談・ご質問は、簡潔にお願いします。
◎ 既に訴訟になっている事案については、原則ご相談をお受けできません。ご担当の弁護士等と協議してください。

ホームページに掲載しています不動産相談事例の「回答」「参照条文」「参照判例」「監修者のコメント」は、改正民法(令和2年4月1日施行)に依らず、旧民法で表示されているものが含まれております。適宜、改正民法を参照または読み替えていただくようお願いいたします。

更に詳しい相談を希望される方は、
当センター認定の全国の資格保有者へ

不動産のプロフェッショナル

過去の事例(年別)

  • 賃貸
  • 売買

ページトップへ

single