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ここでは、当センターが行っている不動産相談の中で、消費者や不動産業者の方々に有益と思われる相談内容をQ&A形式のかたちにして掲載しています。
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2012-R-0226
更新契約の事前締結と期間満了直前の解約申入れ

 建物賃貸借契約において、期間満了前に更新の賃貸借契約が締結され、更新料と前払賃料の支払いがなされた。ところが、その後期間満了直前に借主から解約の申入れがなされた。このような場合、管理業者としてどのように対応したらよいか。

事実関係

 当社は賃貸の媒介業者兼管理業者であるが、来月10日に更新期がくる建物賃貸借契約について、その更新のための賃貸借契約を当月25日に締結した。そして、その際に約定の更新料(賃料の1か月分)と前払賃料1か月分を受領した。ところが、借主はその後の当月末日に賃貸借契約を解約すると言ってきた。
 なお、この賃貸借契約においては、借主からの解約は、契約を終了させたい日の30日前までに貸主に申し出ることになっており、また、すぐに契約を終了させたい場合には、30日前までの予告を必要とせずに、1か月分の賃料または賃料相当額を貸主に支払うことにより、随時契約を終了させることができるようになっている。そして、契約の更新については、期間満了3か月前までに貸主・借主の双方または一方から何らの申し出がないときは、契約が更に2年間、同一条件をもって更新されることになっており、その期間満了3か月前までは当事者から何らの申し出もなかったが、その後の当月末日になって借主から解約の申し出がなされたということである。

質 問

 建物賃貸借契約がこのような状況になっている場合、管理業者としてどのように対応したらよいか。

回 答

1.  結 論
 借主の前払賃料の支払いと合わせて、借主が即時解約の申し出をしたものとみなし、前払賃料は返還されないが、更新料については全額借主に返還するということで、貸主・借主双方を説得したらどうか。
2.  理 由
 本件の問題点は、契約の当事者が期間満了3か月前までに何らの申し出をしていないのであるから、この契約はすでに更新されているのではないかという点と、借主が期間満了前(当月25日)に前家賃の支払いを済ませ、その後(当月末日)に解約の申入れをしている点をどのように考えるかということである。
 確かに、借主の前払賃料の支払いは、更新を前提にしてのものであり、更新料の支払いと合わせ、期間の満了までにすでに更新のための合意が成立していたと認めることができる。
 しかし一方で、解約の申入れが期間満了前(更新前)になされている点と、前払賃料の支払いも期間満了前(更新前)になされている点を考慮すれば、その前払賃料の支払いを、即時解約の申入れのための1か月分の賃料相当額の支払いであるとみなすことにそれほどの違和感はないと考えられる。
 そこで、本件の問題をどのように処理するかということであるが、まず前払賃料については、事前(当月25日)の更新の契約が始期付の契約である点を考慮し、その始期到来前(当月末日)の解約申入れを即時解約の申入れとみなし、その申入れにより同日契約が終了したものとすることにより、貸主がその全額を収受することにする。
 そして、更新料については、契約が期間満了前に終了したことにより、更新がなされなかったことになるわけであるから、その全額を借主に返還するということで当事者を説得し、円満解決を図ることが可能であると考える。

監修者のコメント

 現実的な解決としては、回答のような処理が適切妥当と思われるが、法的な見方からすると、なかなか難しい問題である。いったんなされた更新の合意により、すでに賃貸借契約は更新されていると考えることも可能であるし、更新の合意は期間満了日の翌日から具体的効力を生ずると考えることも可能であり、いずれと解するかにより、質問にいう「解約申入れ」の意味が異なってくる。
 また、更新料が返還されるべきか否かの問題も、更新料の法的性格がからむ問題であって、それを「更新拒絶権放棄の対価」とみれば、更新合意によりその目的が達成され、もはや返還を要しないと考えられ、「賃料の前払い」とみれば、その後の契約関係がないことになるので、やはり返還されるべきものと考えられるが、その法的性格はそのように単純に割り切れるものではない。さりとて、時間と費用をかけて裁判をするのもどうかと思うので、回答の内容で円満解決するのが現実的と思われる。

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