不動産相談

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ここでは、当センターが行っている不動産相談の中で、消費者や不動産業者の方々に有益と思われる相談内容をQ&A形式のかたちにして掲載しています。
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賃貸事例 0811-R-0050
無権代理人との間の合意解除

 賃貸アパートで1人暮らしをしている老人が交通事故に遭い、脳死状態になった。そのような状況下で、長男から賃貸借契約を解除したいという申入れを受けたが、どのように対応したらよいか。

事実関係
 当社は賃貸アパートの管理業者であるが、アパートで1人暮らしをしている老人が交通事故に遭い、脳死状態になった。警察で身内を探し出し、長男が看病をすることになったが、その長男が、父親の代わりに賃貸借契約を解除したいと言ってきた。
 
質問
(1)  脳死のような場合には、本人に代わり身内に契約を解除する権限が与えられるのか。
(2)  身内に契約を解除する権限がないとした場合、管理業者としては、どのような対応をとればよいか。
 
回答
(1)について
 人間が脳死状態にあるということは、法律的には、その人は最早正常な法律行為ができない状態にあるが、死亡したということではない。したがって、相続のように、身内の者が当然にその地位を承継するというものではないので、本件の場合も長男に契約を解除する権限が当然に付与されるということはない。
(2)について
 本件の場合は、交通事故による脳死ということであるから、最早本人に正常な法律行為を期待するのは無理である。したがって、その長男が本人に代わって、住む必要のないアパートの賃貸借契約を解除したいというのは、むしろ当然のことと考えられる。

 そこで、本件の処理方法としては、本来であれば身内の誰かが後見人になり、その後見人との間で賃貸借契約を解除するという方法が適切な処置なのではあろうが、本件のようなやむを得ない事情がある場合には、貸主側としても、無権代理人である長男の行為に同意し、合意解除の手立てを講じるのが適当であると考える。その代わり、事後の結果については、本人の追認が得られないことが明白なのであるから、無権代理人である長男に一切の責任を負ってもらうということを明確に取り決めておくことが適切であろう(民法第118条、第117条)。
 
参照条文
  ○ 民法第118条(単独行為の無権代理)
 単独行為については、その行為の時において、相手方が、代理人と称する者が代理権を有しないで行為をすることに同意し、又はその代理権を争わなかったときに限り、第113条から前条までの規定を準用する。代理権を有しない者に対しその同意を得て単独行為をしたときも、同様とする。
 
○ 同法第117条(無権代理人の責任)
(1)  他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明することができず、かつ、本人の追認を得ることができなかったときは、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。
(2)(略)
 
監修者のコメント
 本件のケースについて民法を杓子定規に当てはめれば、家庭裁判所に後見開始の審判を申し立て、長男を成年後見人として契約を解除するということになるが、他に財産がなく、ただアパートの賃貸借契約を解除するというだけのために、そのような法的手続をとるというのも非現実的である。したがって、回答のような対応で十分と考えられるが、できれば長男以外の子がいないかを聴き、いた場合はその者の了承もとっておいてもらったほうが良い。

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