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賃貸事例 0803-R-0029
借地契約の解除通告がなされている借地権付建物の売却方法

 借地権付建物の売却を媒介をするが、地主から、借地人がたびたび地代の滞納をするので、すでに借地人に対し、「停止条件付の契約解除通知」を出していると言われた。媒介業者としてどのように対応したらよいか。

事実関係
 当社は媒介業者であるが、このたびある借地人から、借地権付の中古の工場兼住宅の売却依頼を受けた。
 ところが、事前に借地人の了解を得て、地主のところにあいさつに行ったところ、この借地人は以前に何回も地代の滞納を繰り返したので、すでに地主の方から、支払の催告に合わせた「停止条件付の契約解除通知」を出していると言われた。それ以上のことは、地主も言わなかったので、とりあえず、その場はそのまま引き上げてきた。

 なお、本件の借地人は50年近く借地をしているが、ここ数年前から工場経営が思わしくなく、他方、地主の方も、最近息子の代に替ったとのことで、両者はあまり面識がないようである。
 
質問
 このような場合、媒介業者としては、どのような対応をとったらよいか。
 
回答
1.結 論
(1) まず、地主の言う「停止条件付の契約解除通知」が借地人のところに届いているのかどうかを借地人に確認する。そして、その通知の到着後、地主の要求する期間内に、借地人が滞納していた地代を支払ったのかどうかを確認する。
(2) 次に、その期間内に、借地人が滞納していた地代を支払っていなかった場合には、借地人に、その後の対応を弁護士に相談することを、あらかじめ検討しておいてもらう。
(3)  そして、その後の地代の支払状況や地主の受領状況を確認したうえで、再度媒介業者だけで地主に会い、話し合いによる借地権譲渡の承諾の可能性をさぐる。
(4) 前記(3)の結果、借地権譲渡の承諾の可能性が少しでもあるようであれば、借地人を同伴のうえ、地主と借地権譲渡の承諾料の額や滞納地代の支払についての話し合いを行う(つまり、借地権の譲渡代金からすべてを支払うということである。)。
(5) もし、借地権譲渡の承諾の可能性が全くないのであれば、その後の対応について、借地人と弁護士とで相談してもらう。
 
2.理由
(1) この地主は、媒介業者に対する言動からは、必ずしも強制的に借地人を追い出したいとは思っていないように感じられる。
  したがって、もしそうであれば、できることならば、多少多めの承諾料を支払ってでも、話し合いにより、新たな借地人への借地権譲渡を認めてもらい、今まで滞納していた地代があるのであれば、それも一緒に清算してしまう方が、当事者にとっても、媒介業者にとっても、好都合であるといえる。
(2)  なお、借地人がどの程度の地代の滞納をすれば、地代の不払が契約解除の理由になるかについては、一概には言えず、判例理論の上で、「当事者の信頼関係を著しく害し、信義則に違反するとみなされる場合」という極く抽象的な基準があるだけで、具体的な「何回」とか「何か月」とかという基準であるわけではない。
 したがって、本件のような取引の媒介活動においては、地代の不払が、この基準に該当するかどうかは、弁護士などの法律の専門家に相談したうえで判断してもらうか、裁判をしてみなければわからないというのが実情なので、もし本件の地主が借地権譲渡を承諾しなければ、その後に行われるであろう借地人と弁護士、あるいは地主と弁護士の話し合いいかんにより、媒介活動を維持していくことができるかどうかが決まることになろう。
 
監修者のコメント
 本事案に対する媒介業者の現実的対応としては、【回答】の内容が適切妥当と解される。ただ、借地契約の解除通知が出されている以上、それが有効なものとして理論上認められるかどうかとは関係なく、成約させた買主が紛争の影響を受け、ひいては媒介業者自身が紛争に巻き込まれる可能性も十分あるので、慎重に取り扱うべきものと考える。

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