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賃貸事例 0706-R-0009掲載日:2007年6月
賃料の増額条項(スライド条項)の有効性
建物賃貸借契約において、賃料を更新時ごとに何パーセントかずつ増額する特約(スライド条項)を設けることは、法的に可能か。
事実関係 | |
昨今の経済情勢に鑑み、地価の下げ止まりから上昇に転ずる可能性が高いので、今後の新規賃貸物件については、その賃貸借契約書の中に、一定期間経過後(たとえば、更新時ごと)に賃料を何パーセントかずつ増額する旨の条項(いわゆる「スライド条項」)を設けることも検討していきたい。 |
質問 | ||
1. | 上記のような「スライド条項」を設けることについて、借地借家法上問題になることはないか。 | |
2. | 借地借家法第32条第1項ただし書との関係で、問題になるようなことはないか。 | |
3. | 定期借家の場合の借地借家法第38条第7項との関係はどうなるのか。 | |
4. | 「公租公課の上昇があったときは、貸主は、その上昇率に応じた賃料の増額ができることとし、借主は異議なくこれを承諾するものとする。」という条項を設けた場合、その条項は有効か。 |
回答 | |||||||||||||||||||||||||||
1.結論 | |||||||||||||||||||||||||||
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2.理由
(1)について (2)について (3)について (4)について |
監修者のコメント | |
賃料のスライド条項の有効性については、その増額率がどれくらいかによって決まるのではなく、その条項によって決定される新賃料が周辺相場などに比べて、不相当かどうかで決まるということができる。すなわち、「3年後には、当然に50%増額する」旨の定めでも、それに基づく新たな賃料が相場並みであれば有効と解され、反対に「2年ごとの更新時に2%ずつ増額する」旨の定めでも、結果としてそれに基づく新たな賃料が相場より高いものであれば、そのスライド条項自体が無効と解される。 要するに、スライド条項自体は、それのみで有効・無効を決定することはできない。 |