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また、参照条文は、事例掲載日現在の法令に依っています。

賃貸事例 0703-R-0001
建物賃貸借契約における貸主からの解約申入れ

建物賃貸借契約において、貸主からの6か月前の解約申入れにより、契約を終了させることができるか。

事実関係
 
  当社は、最近賃貸仲介業に進出したが、このたび地元のアパート経営者から、貸主からも6か月前の解約申入れにより契約が終了できるようにして欲しいとの要望があった。
質問
 
  1. 当該家主は、その根拠として借地借家法第27条第1項の規定を挙げているが、その規定に基づいて契約を終了させることができるのか。
 
2. また、当該家主は、契約が法定更新された場合には、期間の定めがない賃貸借になるので(借地借家法第26条第1項ただし書き)、民法第617条第1項の規定により、3か月前の契約申入れにより契約を終了させることができると言っているが、法的にどうなのか。
回答
 
  1.結論
 
(1) 質問1.について
たとえ6か月前の解約申入れであっても、貸主からの申入れには、「正当の事由」がなければできない。したがって、その解約条項は無効である(同法第30条)。ただし、家主からの申入れに基づいて、当事者が話し合いにより合意で契約を終了させるのであれば、期間内解約も可能である。
 
(2) 質問2.について
同上。
 
2.理由
 
(1)について
借地借家法第27条第1項の規定には続きがあり、その続きの規定は次の第28条である。そして、その第28条には「第26条の規定による更新拒絶の通知と第27条の規定による解約の申入れは、いずれも「正当の事由」がなければ、することができない。」と定められている。したがって、上記1.の質問は上記【回答】(1)のような結論になる。
なお、上記の結論の「ただし書き」にもあるように、当事者間で期間の中途や期間満了時に契約を終了させる合意(合意解約=解除契約)をすることは、もとより自由である。
 
(2)について
更新後の解約申入れについても同様に借地借家法第27条・第28条の規定が適用されるので、上記2.の質問に対する回答も、上記1.の質問に対する【回答】と同じことになる。つまり、民法第617条第1項の規定は、そもそも建物の賃貸借には適用されないので(借地借家法第1条:借地借家法は民法の特別法なので、建物の賃貸借については、同法が民法に優先して適用される)、【質問】2.の場合も、借地借家法第27条・第28条の規定により、「6か月前の解約申入れ」と「正当の事由」が必要となるということである。
参照条文
 
  ○ 借地借家法第28条(建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件)
建物の賃貸人による第26条第1項の通知(更新拒絶の通知)又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、(略)、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。
監修者のコメント
 
借地借家法は、借地・借家に関する民法の特別法であって、民法より優先して適用される(「特別法は一般法に優先する」)。
借地借家法における借地人・借家人を保護する多くの規定は、当事者がたとえそれと異なる明確な合意(特約)をしたとしても、無効である(同法第9条、第16条、第21条、第30条、第37条)。当事者が合意で任意に修正・変更できる「任意規定」に対し、このような規定を「強行規定」という。

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