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ホームページに掲載しています不動産相談事例の「回答」「参照条文」「参照判例」「監修者のコメント」は、改正民法(令和2年4月1日施行)に依らず、旧民法で表示されているものが含まれております。適宜、改正民法を参照または読み替えていただくようお願いいたします。
ここでは、当センターが行っている不動産相談の中で、消費者や不動産業者の方々に有益と思われる相談内容をQ&A形式のかたちにして掲載しています。
掲載されている回答は、あくまでも個別の相談内容に即したものであることをご了承のうえご参照ください。
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売買事例 0810-B-0082掲載日:2008年10月
個人間売買で瑕疵担保責任を一部免除するひな型契約書を使うことの是非
ある不動産会社では、媒介用の個人間売買のひな型契約書に、売主の瑕疵担保責任を一部免除する条項を設けている。このような売主に有利な売買契約書を用いて媒介しても、業法上問題となることはないか。
事実関係 | |
ある不動産会社で使っている媒介用の個人間取引の売買契約書では、売主の瑕疵担保責任に関する特約が、土地については責任を負わず、建物についてのみ負うことになっている。そして、その建物についても、売主が責任を負うのは本体についての特定の部位だけで、付帯設備(給湯設備など)については現状有姿ということで、一切責任を負わないものとしている。 | |
質問 | |
このような売主に有利な特約を定めているひな型契約書を使って媒介行為を行っても、業法上問題になるようなことはないか。 | ||
回答 | |||||||||||
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参照条文 | ||
○ | 民法第570条(売主の瑕疵担保責任) 売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第566条の規定(地上権等がある場合等における売主の担保責任に関する規定)を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。 |
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○ | 民法第572条(担保責任を負わない特約) 売主は、第560条から前条までの規定による担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実及び自ら第三者のために設定し又は第三者に譲り渡した権利については、その責任を免れることができない。 |
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○ | 民法第415条(債務不履行による損害賠償) 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。債務者の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときも、同様とする。 |
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○ | 民法第709条(不法行為による損害賠償) 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 |
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監修者のコメント | |
瑕疵担保責任に関する民法の規定は、当事者間の合意で変更・修正ができる「任意規定」であるが、宅建業者が売主で、宅建業者でない者が買主となる売買では、宅建業法(第40条)により、質問のような特約を自由にすることはできない。しかし、売主が宅建業者でない以上、宅建業者が媒介・代理をする場合でも上記の宅建業法の適用がないので、瑕疵担保責任の内容を自由に取り決めることができ、いかに売主に有利な売買契約の条項でも、宅建業法上、問題となることはない。ただ、媒介業者として、買主にその内容を十分に理解したうえで契約を締結してもらうという配慮が必要で、買主への説明に意を用いることが必要である。 なお、売主が会社のような法人で、買主が消費者の場合は、消費者契約法により、売主である事業者の瑕疵担保による損害賠償責任が全部免除されるという条項を合意したとしても、同法により無効である。 |