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ここでは、当センターが行っている不動産相談の中で、消費者や不動産業者の方々に有益と思われる相談内容をQ&A形式のかたちにして掲載しています。
掲載されている回答は、あくまでも個別の相談内容に即したものであることをご了承のうえご参照ください。
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また、参照条文は、事例掲載日現在の法令に依っています。

売買事例 0809-B-0079
「底地」の売買契約書のつくり方

 「底地」の売買契約は、通常の土地売買契約と同じだという人がいるが、本当か。
異なる点があるとすれば、それはどのような点か。

事実関係
 当社は、今回初めて、投資用「底地」の用地取得を行う。取得の当事者は当社で、一定の用地取得完了後、依頼者に土地を引渡すのであるが、用地取得の際の土地所有者との底地の売買契約書の定め方がよくわからない。
質問
1.  「底地」の売買は、通常の土地所有権の売買と同じだと言われているが、そのように考えてもよいのか。何か異なる点はないのか。
2.  売買契約書の中に、通常の土地売買の場合と異なる条項を定めておく必要があれば、その条項がどのようなものかを知りたい。
回答
 
(1)   質問1.について —
基本的には、通常の土地所有権の売買と同じであるが、「底地」の売買の場合には、その土地上に借地人がいるということ、つまり、その土地には借地権が設定されているということであるから、その売買契約は、借地権の負担がある土地売買契約、すなわち、底地の買主が新たな土地所有者として、貸主の地位を引き継ぐという条件付の土地売買契約になるという点が異なる。
(2)  質問2.について —
「底地」の売買は、借地権という負担のある土地売買であるから、通常の土地売買契約と異なる条項として、たとえば、次のような条項を追加しておく必要があると考えられる。
 なお、借地権には、「土地の賃借権(債権)」と「地上権(物権)」とがあるが、ここでは一般的なケースとして、土地の賃借権の例で説明することとする。
 
1. 「土地賃借権の承継」に関する条項
「第○条 売主および買主は、本件土地について、末尾記載の土地賃借権が設定されていることを確認し、買主は、本件土地についての賃貸人たる地位を、第○条に定める所有権移転登記申請の日をもって売主から承継する。」
2. 「敷金の承継」に関する条項
「第○条 売主は、前条の規定に基づき、第○条の所有権移転登記申請の日に、本件土地の賃借人から預託された敷金を買主に引き渡す。」
3. 「地代、公租公課」に関する条項
「第○条 売主および買主は、本件土地に関する地代の収受および公租公課の負担について、第○条に定める所有権移転登記申請の日をもって、以後買主が収受し、負担することを確認する。」
4. 「賃借人への通知」に関する事項
「第○条 売主は、本件土地の賃借人○○○○に対し、第○条の所有権移転登記申請の日に、本件土地の賃貸人たる地位の承継があったことを通知しなければならない。」
 
参考判例
   賃貸不動産の所有者に変更があった場合、賃借人・新所有者間に、従来の賃貸借関係がそのまま移転・存続する(通説・判例。大判昭和6年5月29日新聞329号18頁等)。
 
 右の所有者の変更には、賃借人の承諾を要しない(通説・最判昭和46年4月23日民集25巻3号388頁)が、新賃貸人の権利を主張するには、所有権の取得登記を備える必要がある(通説・判例。大判昭和8年5月9日民集12巻1123頁、最判昭和49年3月19日民集28巻2号325頁)。
 
監修者のコメント

 底地の売買における契約書に設けておくべき契約条項は、【回答】のとおりであるが、買主が貸主たる地位を承継するのは、法律上の当然の効果であって、特約に基づくものではない。そして、貸主たる地位を承継するという意味は、売主が締結していた借地契約の内容をそのまま引き継がなければならないということである。このことを理解せず、貸主の地位になったのだから、従前とは異なる条件の新たな契約を結ぶことを権利として主張できると考える人がいる。契約内容改訂の協議の申入れ自体はもちろんできるが、賃借人はこれに応ずる法的義務はない。賃貸人の変更は、賃貸人の義務の移転を伴い「債務引受」の要素を含むにもかかわらず、上記【参考判例】にあるように、最高裁が賃借人の承諾を要しないとしているのは、そのことを前提にしているからである。

より詳しく学ぶための関連リンク

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