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ここでは、当センターが行っている不動産相談の中で、消費者や不動産業者の方々に有益と思われる相談内容をQ&A形式のかたちにして掲載しています。
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売買事例 0807-B-0075掲載日:2008年7月
付随義務違反による契約解除の可否
業者が一般の個人から物件を購入するにあたり、売主が、分筆された私道をたすきがけで所有している他の土地所有者から、私道についての転売条件付の通行等に関する承諾書を入手することができなかったこと(売主の書面取り付け義務違反)を理由に、買主は売買契約を解除することができるか。
事実関係 | |
(1) | 当社は媒介業者であるが、このたび、売主が一般の個人で、買主が宅建業者の場合の戸建住宅の売買の媒介をすることになった。 早速、物件の調査に入ったところ、その物件は、過去にある不動産業者が分譲したミニ開発物件で、前面道路は、道路位置指定のある私道で、その私道に面している物件の所有者が、それぞれ分筆された私道をたすきがけで持ち合っている(分有している)、いわば互いにこれを私道として通行する通行地役権が設定されている形態のものであることが判った(後記【参照判例】参照)。 |
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(2) | ところが、買主からは、私道の通行等について、私道の所有者全員から、買主の指定する内 容の文書で同意を取り付けるよう要請された。そして、売買契約において、その同意書の取り付けが売主に義務付けられ、同時に、買主が指定する内容の文書も、私道所有者の人数分が買主から売主に交付された。 |
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(3) | このような経緯を経て売買契約は締結されたが、その後、私道所有者のうちの1人が、同意書の文言の一部を削除してくれなければ判を押さないと言い出したため、やむなくその旨を買主(業者)に伝えたところ、買主は、これを契約違反だとして、売買契約を解除すると言い出した。私道所有者の1人が削除すると言った部分は、「買主が購入物件を第三者に譲渡した場合にも通行等を認める。」という部分である。 | ||
質問 | |
このままでは、売主が契約違反をしてしまうことになるが、もし、所定の文書での取り付けができない場合、契約は解除されることになるのか。 | ||
回答 | ||||||||||||||||||
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参照条文 | |||||||||||||||||||||||
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参照判例 | |||||||||||||||||
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監修者のコメント | |
質問の「事実関係」の状況から見る限り、【回答】のとおり通行地役権が設定されていることから、買主からの契約解除は困難と考えられるが、本ケースに似たケースで、仮に売買の条件として、たとえ法的に通行地役権が確保されていても、事実上、関係者で揉めるのがイヤだからという理由で、買主が全員の承諾書を取り付けることを重要な要素として表明した上で、契約を締結した場合は、異なる結論となる可能性がある。すなわち、そのような場合は、単なる「附随義務違反」とも言い切れず、解除が認められる可能性はある。 |