当センターでは、不動産取引に関するご相談を
電話にて無料で受け付けています。
専用電話:03-5843-208110:00~16:00(土日祝、年末年始 除く)
相談内容:不動産取引に関する相談(消費者、不動産業者等のご相談に応じます)
<ご注意>
◎ たいへん多くの方からご相談を受け付けており、通話中の場合があります。ご了承ください。
◎ ご相談・ご質問は、簡潔にお願いします。
◎ 既に訴訟になっている事案については、原則ご相談をお受けできません。ご担当の弁護士等と協議してください。
ホームページに掲載しています不動産相談事例の「回答」「参照条文」「参照判例」「監修者のコメント」は、改正民法(令和2年4月1日施行)に依らず、旧民法で表示されているものが含まれております。適宜、改正民法を参照または読み替えていただくようお願いいたします。
ここでは、当センターが行っている不動産相談の中で、消費者や不動産業者の方々に有益と思われる相談内容をQ&A形式のかたちにして掲載しています。
掲載されている回答は、あくまでも個別の相談内容に即したものであることをご了承のうえご参照ください。
掲載にあたっては、プライバシーの保護のため、相談者等の氏名・企業名はすべて匿名にしてあります。
また、参照条文は、事例掲載日現在の法令に依っています。
売買事例 0801-B-0053掲載日:2008年1月
両手媒介と「双方代理」の禁止規定との関係
両手媒介は、「双方代理」の禁止規定に抵触するか。
事実関係 | |
当社は媒介を主業務とする宅建業者であるが、業界の関係者の中には、いわゆる両手媒介は民法の「双方代理」の禁止規定に抵触するとか、賃貸の管理業務などについても、オーナーとの管理委託契約の受託者としての立場と入居者との関係について、同様の関係が生じるという人がいる。 | |
質問 | |
これらの意見は、正しいのか。 | |
回答 | ||||||||||||||||
|
||||||||||||||||
参照条文 | |||||||||||||
|
|||||||||||||
参照判例 | |||||
|
|||||
監修者のコメント | |
同一業者が売主・買主双方の代理人となることは、【回答】のとおり、民法の双方代理の禁止(第108条)に抵触し、原則的にはできず、行われた代理行為は無権代理として扱われるというのが、最高裁判例である。しかし、双方代理といわゆる「両手媒介」すなわち一人の宅建業者が売主・買主双方と媒介契約を締結することとは全く異なる。代理人は、本人に代わって意思表示を行い、場合によっては意思決定を行うので、一人が双方の代理人になると、いずれかの当事者の利益を害する結果をもたらす可能性があるので、双方代理が原則的に禁止されているのである。これに対して、媒介は本人に代わって意思表示を行うのではなく、契約の成立に向けて尽力する行為であって、いわば双方の取次ぎである。意思表示あるいは意思決定を行うのは、あくまでも本人であるから、本人の利益を害することはない。不動産仲介問題に関する過去の議論において、それ相応の博識を有すると思われる識者が、不動産業者が双方の媒介をすることは、どちらかの利益を害するから禁止すべきだなどという意見を出したことがあるが、全くの見当はずれの見解である。もし、業者が依頼者の利益を害するケースがあるとすれば、それは双方の媒介だから生じたものでなく、別次元の理由によるものである。契約締結後、不幸にも紛争になった場合、双方それぞれに媒介業者が付いているものは、業者同士の主張が対立するのに対し、一業者が双方を媒介した場合のほうが、間に入って解決に努力し、解決が早いというのが実態である。 |