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ホームページに掲載しています不動産相談事例の「回答」「参照条文」「参照判例」「監修者のコメント」は、改正民法(令和2年4月1日施行)に依らず、旧民法で表示されているものが含まれております。適宜、改正民法を参照または読み替えていただくようお願いいたします。
ここでは、当センターが行っている不動産相談の中で、消費者や不動産業者の方々に有益と思われる相談内容をQ&A形式のかたちにして掲載しています。
掲載されている回答は、あくまでも個別の相談内容に即したものであることをご了承のうえご参照ください。
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売買事例 0709-B-0036掲載日:2007年9月
媒介契約書を作成しないまま直接契約が行われた場合の
報酬請求
買いの媒介契約書を作成・調印しないまま商談が進行し、契約の日時まで決めたが、買主が約束を反古にし、売主と直接契約を成立させた。このような場合、媒介業者は、媒介契約書がなくても媒介報酬の請求ができるか。
事実関係 | |
当社は、ある顧客から戸建住宅の買受けの媒介委託を受けた。そして、物件案内もし、条件交渉も買主の希望条件で折り合いがついたので、売買契約の締結日時を決定した。 ところが、買主(依頼者)は、その後間もなく断りの電話を入れてきた。理由は、「事情があって」と言うだけで、言えないという。そのため、当社としては、やむを得ず「わかりました」と返事をしたが、その3か月後にその物件の前を通りかかったところ、表札が買主(依頼者)の名前に変っていた。 そこで、買主(依頼者)にその間の事情を聞いたところ、一旦は物件の購入を諦めたが、再度欲しくなって、直接売主のところへ行って交渉し、当初の条件で契約を成立させたのだという。 なお、本物件の所有権の登記が買主(依頼者)に移転した日は、当社に断りの電話を入れた10日後になっている。 |
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質問 | |
当社は、この依頼者と媒介契約書を取り交していないが、媒介手数料の請求はできるか。できるとすれば、どの程度の額を請求できるか。 | |
回答 | ||||||||||||||||||
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監修者のコメント | |
媒介契約は、委任者(依頼者)と受任者である宅建業者の口頭の合意で成立し、書面の作成・調印は契約の成立にとって必要ではない。法定の事項を記載した書面を依頼者に交付しなかったときは、宅建業法(第34条の2)違反にはなるが、媒介契約の成否とは無関係である。 本件のような依頼者の直接取引をめぐる仲介報酬請求の訴訟においては、仲介報酬請求権の前提として、媒介契約が成立しているかどうかが、大きな争点になることがほとんどである。その場合、宅建業法上の書面の交付義務を遵守しているケースでは、その書面により、媒介契約の成立を容易に証明(立証)できるが、交付義務を果していない場合は、媒介契約の成立を証明することに困難を伴う。宅建業法を守っていないと、このような場面でそのツケがまわってくる。 |