不動産相談

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ホームページに掲載しています不動産相談事例の「回答」「参照条文」「参照判例」「監修者のコメント」は、改正民法(令和2年4月1日施行)に依らず、旧民法で表示されているものが含まれております。適宜、改正民法を参照または読み替えていただくようお願いいたします。

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ここでは、当センターが行っている不動産相談の中で、消費者や不動産業者の方々に有益と思われる相談内容をQ&A形式のかたちにして掲載しています。
掲載されている回答は、あくまでも個別の相談内容に即したものであることをご了承のうえご参照ください。
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また、参照条文は、事例掲載日現在の法令に依っています。

賃貸事例 1408-R-0138
建物賃貸借契約における鍵の取替え費用の負担とそれに伴う問題点

 建物賃貸借契約の締結に際し、借主に鍵(以下「錠前」を含む。)の取替え費用を負担してもらったが、このような場合、鍵の所有権は誰に帰属するのか。明渡し時にキーの紛失が判明した場合に、貸主は借主に対し、スペアキーの補充を請求することができるか。

事実関係

 当社は賃貸借の媒介業者兼管理業者であるが、このたびある賃貸アパートの入居者から、建物の明渡しに伴うキーの返還を受けたが、その際にキーが1本紛失していることが判った。
 なお、このアパートにおいては、賃貸借契約の締結時に鍵(以下「錠前」を含む。)を借主の負担で交換してもらうように約定しており、本件の借主に対してもそのようにしてもらったが、その鍵の所有権が誰に帰属するのかについては、特段確認規定を定めていない。

質問

1.  賃貸借契約の締結にあたり、借主に鍵の取替え費用を負担させることは、法的に問題があるか。
2.  この場合の鍵の所有権は、誰に帰属すると考えるべきか。
3.  もし鍵の所有権が貸主に帰属すると定めていた場合、その約定は法的に有効か。もし有効であるとした場合、貸主は借主に対し、紛失したキーの補充費用を請求できるか。

回答

1.  結 論
 質問1.について ― 借主が真に納得しているのであれば、特に法的に問題があるということはないが、本来は貸主が新しい鍵に取り替えてから賃貸に出すのが望ましい営業の仕方であろう。
 質問2.について ― 鍵の所有権は、特約がない限り、貸主に帰属すると考えるべきである。
 質問3.について ― 鍵の所有権が貸主に帰属すると定めることは、法的に有効である。したがって、貸主は借主に対し、紛失したキーの補充費用を請求することができる。
   
2.  理 由
  ⑴〜⑶について
     本件の事案は、【回答】の結論⑴で述べたとおり、本来は貸主が新しい鍵に取り替えて賃貸に出すべき事案であり、鍵の取替え費用を借主に負担させるのは、法的に特に問題がないからといっても、決して好ましいことではない。
 なお、鍵の所有権の帰属問題については、【回答】の結論⑵で述べたとおり、特約がない限り、貸主に帰属すると考えるべきである。なぜならば、鍵(錠前を含む。)は建物の「付合物」であり(民法第242条)、建物の一部であるから、借主がその鍵の取り替え費用を負担したからといって、それをわざわざ借主の所有物にして、借主が退去するときに、取りはずして持って帰っても何の使い途もないからである。

参照条文

 民法第242条(不動産の付合)
 不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する。ただし、権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げない。

監修者のコメント

 鍵には、いろいろな種類のものがあるが、鍵と鍵を差し込む錠前と一体となって機能するものである。建物のドアの鍵は、南京錠のように錠前本体を持ち歩くことのできるものではなく、建物のドア自体またはドアのノブが錠前となっているものが殆んどである。そのような錠前は、建物の一部分を構成しているのであるから、その取り替え費用を借主が負担したからといって、建物とは別個独立にその部分だけ借主に所有権があるとするのは、不自然であって、一般の考え方とそぐわないと思われる。費用負担者と所有権の帰属者が異なる事象は何ら不思議ではない。
 いずれにせよ、取り替え費用の負担者を明確に定めておくべきである。

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