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ここでは、当センターが行っている不動産相談の中で、消費者や不動産業者の方々に有益と思われる相談内容をQ&A形式のかたちにして掲載しています。
掲載されている回答は、あくまでも個別の相談内容に即したものであることをご了承のうえご参照ください。
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また、参照条文は、事例掲載日現在の法令に依っています。

売買事例 0908-B-0106
賃貸マンションの1棟売りと個人情報との関係

 
賃貸マンションの1棟売りを媒介する場合、媒介業者が売主(賃貸人)から得た賃借人の個人情報を、事前に買主(新オーナー予定者)に提供する行為は、個人情報保護法との関係で問題になることはないのか。

事実関係
 
当社は媒介業者であるが、賃貸物件の1棟売りを媒介する場合、あらかじめ売主(貸主)から入居者の個人情報(住戸別の賃貸借契約書の写し、それらの契約内容についての一覧表、滞納状況など)を入手し、それを重要事項説明書に添付したりして、買主(次のオーナー)に事前に説明する。
質問
   これらの入居者の個人情報の事前提供は、個人情報保護法との関係で問題になることはないのか。
回答
  (1)

結 論

 問題になることはない。
 
(2) 理由
 本件の問題は、売主(貸主)が保有する個人情報を、売主が直接、あるいは媒介業者を通じて買主に提供するという視点と、媒介業者が売主から入手して買主に提供するという2つの視点で考える必要があるが、前者の場合には、一部の大手貸ビル業者などの場合以外は、売主である賃貸人が「個人情報取扱業者」に該当するというケースは稀であるから、問題は、後者の場合であろう。
しかし、後者の場合には、媒介業者の行為は、宅地建物取引業法という「法令に基づく場合」の行為(重要事項説明)であるから、個人情報保護法第23条第1項第1号の規定により、同法の適用除外となり、何ら問題が生じるというようなことはない。また、前者のケースで、売主(貸主)自身が「個人情報取扱事業者」に該当するとしても、売主の行為は、同条同項第2号の規定による「人(買主)の財産の保護のために必要がある場合」の行為に該当するので、同様に適用除外となり、同法に抵触することはない。
 
参照条文
  ○ 個人情報保護法第23条(第三者提供の制限)
(1)  個人情報取扱業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者の提供してはならない。
   法令に基づく場合
 人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
 
 公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
 国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。
(2)〜(5) (略)
 
監修者のコメント
 
個人情報保護法の制定後、個人情報の取扱いについて法の趣旨を誤解した主張が見られる。本ケースのように、賃貸物件の売買の場合に賃借人の氏名や賃貸借契約書を売主が買主に提供することは、同法に抵触するものではない。このような場合、同法で関係する条文は、第23条の「個人データの第三者提供の制限」であるが、そもそも、売主はその義務対象となる「個人情報取扱事業者」ではないであろうし、仮にその義務を負う者であったとしても、たとえば、賃料の滞納状況を知らせることは、同条の適用除外である「人の財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき(同法23条1項2号)」に該当し、問題がない。
 このような場合に、問題になるとすれば、賃借人の収入、信条、宗教など一般的にみて他人に知られたくない事実を必要性もないのに買主に告げる行為は不法行為(民法709条)の問題になり得る。賃貸物件の売買において、買主が当然に知らなければならない賃借人に関する情報を売主が買主に教えても違法性がない。

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