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売買事例 0908-B-0104掲載日:2009年8月
駐車場および資材置場の建設を目的とする市街化調整区域内の土地の売買
街化調整区域内の土地であっても、駐車場や資材置場の建設であれば、つくることができるというのは、本当か。
事実関係 | |
当社は媒介業者であるが、市街化調整区域内の土地の取引を媒介する場合、その取引の目的が駐車場の建設であったり、資材置場の建設であったりすることが多い。その理由は、そのような目的であれば、市街化調整区域内の土地であっても、法令に違反することなく土地が利用できるからだという。 |
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質問 | |
(1) | 駐車場や資材置場であれば、本当に市街化調整区域内の土地でも建設ができるのか。 | |
(2) | 建設ができるとしても、市街化調整区域内の土地なので、面積に関係なく開発許可が必要になるのではないか。 | |
(3) | 市街化調整区域内の土地を、このような目的で売買する場合、重要事項説明には、「本土地は市街化調整区域内にあるため、駐車場および資材置場以外の建設は、原則として行うことができません。」とすればよいか。 | |
回答 | ||
(1) | 質問1.について — その駐車場や資材置場に屋根や壁を設けるなど、建設するものが「建築物」にならない限り、原則(注)として、建設することができる(都市計画法第29条第1項第11号、同法施行令第22条第2号)。ただし、具体的な建設計画については、当該関係行政庁に事前に確認しておくことが必要である。 (注)「原則として」の意味は、「他の法令による制限がない限り」という意味である。以下、本【回答】において同じ。 |
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(2) | 質問2.について — 駐車場や資材置場は「建築物または特定工作物」ではないので、原則として、開発許可は必要ない(都市計画法第4条第12項、第29条第1項第12号、同法施行令第22条)。ただし、具体的な建設計画などについて、事前に関係行政庁に確認しておくことが必要である。 | |
(3) | 質問3.について — 建設できるものを駐車場と資材置場に限定する必要はないので、次のように記載する方が適切であろう。 「本土地は市街化調整区域内にあるため、原則として、開発許可を受けない限り、本土地上において建築物を建築することはできません。ただし、都市計画法第29条第1項第12号に定めるもののほか、同項各号に定める開発行為を行う場合については、この限りではありません。詳しくは、同法施行令第20条から第22条をご参照ください。」 |
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参照条文 | |||
○ 都市計画法4条(定義) | |||
(1)〜(11) (略) | |||
(12) | この法律において「開発行為」とは、主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更をいう。 | ||
(13)〜(16) (略) | |||
○ 同法第29条(開発行為の許可) | |||
都市計画区域又は準都市計画区域内において開発行為をしようとする者は、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事(地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の19第1項の指定都市、同法252条の22第1項の中核都市又は同法第252条の26の3第1項の特例市(以下「指定都市等」という。)の区域内にあっては、当該指定都市等の長。以下この節において同じ。)の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる開発行為については、この限りではない。 | |||
一 | 市街化区域、区域区分が定められていない都市計画区域又は準都市計画区域内において行う開発行為で、その規模が、それぞれの区域の区分に応じて政令で定める規模未満であるもの | ||
二 | 市街化調整区域、区域区分が定められていない都市計画区域又は準都市計画区域内において行う開発行為で、農業、林業若しくは漁業の用に供する政令で定める建築物又はこれらの業務を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行うもの | ||
三〜十 (略) | |||
十一 | 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの | ||
(2)〜(3) (略) | |||
○ 同法施行令第20条〜21条 (略) | |||
○ 同法施行令第22条(法第29条第1項第12号の政令で定める開発行為) | |||
法第29条第1項第12号政令で定める開発行為は、次に掲げるものとする。 | |||
一 | 仮設建築物の建築又は土木事業その他の事業に一時的に使用するための第一種特定工作物の建設の用に供する目的で行う開発行為 | ||
二 | 車庫、物置その他これらに類する附属建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為 | ||
三 | 建築物の増築又は特定工作物の増設で当該増築に係る床面積の合計又は当該増設に係る築造面積が10m2以内であるものの用に供する目的で行う開発行為 | ||
四 | 法第29条第1項第2号若しくは第3号に規定する建築物以外の建築物の改築で用途の変更を伴わないもの又は特定工作物の改築の用に供する目的で行う開発行為 | ||
五 | 前号に掲げるもののほか、建築物の改築で当該改築に係る床面積の合計が10m2以内であるものの用に供する目的で行う開発行為 | ||
六 | 主として当該開発区域の周辺の市街化調整区域内に居住している者の日常生活のため必要な物品の販売、加工、修理等の業務を営む店舗、事業場、その他これらの業務の用に供する建築物で、その延べ面積(同一敷地内に二以上の建築物を新築する場合においては、その延べ面積の合計。以下この条及び第35条において同じ。)が50m2以内のもの(これらの業務の用に供する部分の延べ床面積が全体の延べ面積の50パーセント以下のものに限る。)の新築の用に供する目的で当該開発区域の周辺の市街化調整区域内に居住している者が自ら当該業務を営むために行う開発行為で、その規模が100m2以内であるもの | ||
監修者のコメント | |
本ケースのような土地の売買の媒介をする場合の要点は、とにかく買主がその土地の不利益事実すなわち各種の法令上の制限や物件の問題点を十分に知った上で買ってもらうということである。 買主にとって、たとえどのような不利益な事実であろうとも、それを知った上で購入した以上、売主にも仲介業者にも文句は言えないからである。 媒介に当たっては、買主に対象物件の問題点について正確な情報を提供すれば足りるのであって、それ以上の結果責任を負わされることはない。 |