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ここでは、当センターが行っている不動産相談の中で、消費者や不動産業者の方々に有益と思われる相談内容をQ&A形式のかたちにして掲載しています。
掲載されている回答は、あくまでも個別の相談内容に即したものであることをご了承のうえご参照ください。
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売買事例 0703-B-0005
予約契約の履行を確保する方法

1年後の本契約を確実に成立させるための売買予約の方法にはどのようなものがあるか。

事実関係
 
  当社は媒介業者であるが、このたびある土地の売買予約を締結する。予約契約は今年2月に行うが、物件の引渡しと所有権移転登記の申請が来年3月になるため、本契約は来年1月に行う。
質問
 
  1. このような場合、本契約を確実に成立させるためにはどのような方法があるか。
 
2. 予約権者が予約完結権を行使しなかった場合に、違約金(ペナルティ)を課すことができるか。
回答
 
  1.結論
 
(1)質問1.について
売主・買主双方に予約完結権をもたせ、そのいずれかが予約完結の意思表示(完結権の行使)をしたら本契約が成立するというようにしたらよい。
 
(2)質問2.について
予約完結権は権利であるから、その権利者に対し権利の行使を義務づけ、さらにその不行使に対しペナルティを課すということは現行法制に照らし無理がある。
 
2.理由
 
(1)について
売買の予約とは、当事者の一方または双方が、将来一定内容の売買契約の締結を希望し、その旨の意思表示をしたときに、他の当事者がこれを承諾する義務を負う契約をいい、当事者の一方のみが承諾の義務を負う場合を一方の予約、双方が義務を負う場合を双方の予約といっている。

そして民法第556条はこの予約の制度をさらに一歩すすめ、予約義務者の承諾を要しないものとし、予約権利者の一方的な意思表示(予約完結の意思表示)によって売買契約が成立するという構成をとっている。すなわち、予約権利者は、一方的な意思表示によって売買契約を成立させることができる売買予約完結権(形成権)を有するものとされている。したがって、この予約完結権を有する者が売主・買主の双方であれば、その一方だけが完結権を有する場合にくらべ、本契約の成立の可能性が格段に増すということになる。

 

(注)

形成権とは、権利者の一方的な権利の行使によって、現存する権利関係に一定の変更を生じさせる作用をもつ権利のことをいう。支配権・請求権に対する概念である。たとえば、契約の取消権・解除権や買戻権・相殺権などがある。
 
(2)について
予約権利者は、その権利の存続期間(行使期間)を定めたときは、その期間内に権利を行使することができる反面、権利を行使しないでその期間が過ぎれば予約完結権を失う。そして、予約完結権の存続期間を定めなかったときは、予約義務者の方から相当の期間を定めて催告し、完結権を行使するか否かの確答を求めることができ、催告期間内に確答がないときは予約は失効し、予約完結権は消滅するものとされている。

このように、予約権利者は予約完結権を行使しないことによって受ける不利益は予約完結権を失うにとどまる。したがって、予約完結権を行使することを義務づけ、これを行使しない場合に違約金を払うという特約は、権利の行使は本来権利者の自由であるという現行法制に照らし無理があり、できないと考えるべきである。

監修者のコメント
 

売買予約を将来必ず本契約にする方法は、予約完結権を一方当事者のみがもつのでなく、当事者双方がもつことにすれば、より可能性が高まる。民法が定めている予約(第556条第1項)は、予約完結権を一方当事者のみがもつものであるが、双方がもつというのも、契約自由の原則から認められる。
しかし、この場合でも、双方とも気が変わり予約完結権を行使しなければ、結局本契約に高まらない。
これを回避するには、将来の一定の事実の発生によって契約の効力が生ずる「停止条件付契約」を現在締結してしまう方法もある。

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