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ここでは、当センターが行っている不動産相談の中で、消費者や不動産業者の方々に有益と思われる相談内容をQ&A形式のかたちにして掲載しています。
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2408-B-0335
共同相続した土地の上に単独名義の建物がある場合の売却方法

 兄弟4人が共同相続した土地の上に、長男の単独名義のアパートが建っている。このたびこの土地と建物を同時に売却するが、重要事項説明書や売買契約書は1通でよいか。

事実関係

 このたび兄弟4人が共同相続した土地を売却仲介するが、その土地の上には、共同相続人のうちの1人(長男)の名義になっているアパートがある。
 長男の話によれば、そのアパートは15年程前に長男が銀行から融資を受けて建てたもので、土地については、当時の父親(被相続人)から無償で借り受け(使用貸借)、そのアパートの賃料は父親の生活費と銀行への借入金の返済に充当されてきたという。そのため、土地については、当時の借入のための担保提供として抵当権が設定されている。

質 問

 このような物件の場合、アパートも一緒に売却することになるが、重要事項説明書や売買契約書は1通でよいか。

回 答

1.  結 論
 1通でよい。ただし、その場合は、売買代金の分配を含めた税務上の取り扱いについて事前に税理士などの専門家の確認がとれていることと、それぞれの持分についての売却代理の委任が各相続人から、たとえば長男になされることが前提となろう。
2.  理 由
 共同相続した土地の上に、その相続人の中の1人が所有する建物が存在するケースはかなり多い。本件のようなケースは、その典型的な例の1つである。
 本件のようなケースで問題になるのは、その長男の名義になっているアパートが、本当に長男の所有であるのかどうか、被相続人(父親)との共有の財産ではないのかどうかという点である。この点については、本件の【事実関係】からは必ずしも判然としないが、共同相続人の中に異議を唱える者がいなければ、名義どおり長男の単独所有と考えて売却しても問題はないであろう。しかし、その場合でも、そのアパートが建っている土地の利用権について問題が生じる。
 本件の場合は、その長男と被相続人(父親)との間の「使用貸借」ということになっているので、それほど大きな問題になることはないと考えられるが、もし長男が被相続人(父親)に地代(注)を支払っていたとか、長男が銀行から融資を受ける際に、借地権の設定契約を締結し、その証書を銀行に提出していたとかということになると、税務当局から土地の「賃貸借」と認定され、生前に「借地権の贈与」があったのかどうかというような問題になるからである。
 (注)この場合の「地代」の額が固定資産税相当額以下であるときは、「使用貸借」とされる(国税庁通達「使用貸借に係る土地についての相続税及び贈与税の取扱いについて」)。
 いずれにしても、本件の相続物件について上記のような税務上の問題がなければ、あとは売却をするための方法をどうするかということだけであり、その場合は、建物(アパート)を除けば、あくまでも土地の共有者全員がそれぞれの持分について売却するということであるから、できれば共有者全員が重要事項説明や売買契約の場に立会うことが望ましい。
 しかし、必ずそうしなければ売買契約が締結できないということではないので、たとえば不動産売買の経験のある人とか、本件の場合に特に重要な立場にある長男あたりに他の相続人から代理権を授与してもらい、その代理人を相手に売買契約を締結するという方法をとることが適当であろう。

監修者のコメント

 本ケースのような場合に、しばしば問題が生ずるのは、土地の共有者である相続人全員が売却に賛成しているわけではないのに、建物所有者である長男が事実上管理している実態をみて、土地の売買について長男を代表者として扱ってしまい、土地の売買契約を締結するというものである。
 要するに、土地の売却に共同相続人全員が同意している事実を確認することが最低限必要であって、売買契約締結後、それらの者の事後追認を得られるとの代表者の言を信ずることは、最も避けるべきことである。それで、うまくいかなかった場合、媒介業者の買主に対する責任の問題になる。
 そして、土地の所有者全員と建物所有者の売却意思の確認ができれば、土地と建物を同一人が買うのである以上、建物の土地使用権のことは気にしなくてもよいと思われる。

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