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賃貸事例 0903-R-0059掲載日:2009年3月
免税事業者の住宅賃貸借における消費税の取扱い
住宅の賃貸借は消費税の非課税取引であるが、その非課税取引を免税事業者である貸主が行う場合、貸主は借主から消費税を受領することができるか。課税事業者である貸主の場合はどうか。
事実関係 | |
当社は賃貸の媒介と管理を行っている宅建業者であるが、同業者の中に、「貸主がサラリーマンオーナーのような消費税の「免税事業者」の場合には、住宅(アパート、マンション)の賃貸借で、賃料とは別に消費税を受領するのは問題だ」という人がいる。 その理由は、貸主が「課税事業者」の場合であっても、もともと住宅の賃貸借は非課税取引であるから、免税事業者である貸主が、賃料とは別に消費税を受領するのは「不当利得」になるからだという。 |
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質問 | |
1. | この同業者の言っていることは、正しいか。 | |
2. | われわれ賃貸の媒介・管理業者は、住宅の賃貸借の場合の消費税の取扱いについて、どのような対応をすべきか。 | |
回答 | |
1.結論 | ||
(1) | 質問1.について ― 正しい。 | |
(2) | 質問2.について ― 「非課税取引」である住宅の賃貸借においては、貸主が免税事業者である場合はもとより、課税事業者の場合であっても、消費税を賃料とは別に受領すべきではない。 | |
2.理由 |
(1)(2)について |
参照条文 | ||
○ 消費税法第6条(非課税) | ||
(1) | 国内において行われる資産の譲渡等のうち、別表第1に掲げるものには、消費税を課さない。 | |
(2) | (略) | |
別表第1(第6条関係) (注)表の様式は、当センターにて編集した。 |
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○ 民法第703条(不当利得の返還義務) | ||
法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。 | ||
参照資料 | ||
○ 国土交通省ガイドライン(宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方) その他の留意すべき事項 2.消費税等相当額の扱いについて |
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法第32条、第38条、第39条、第41条及び第41条の2等の規定の適用に当たっては、売買、貸借等につき課されるべき消費税等相当額については、「代金、借賃等の対価の額」の一部に含まれるものとして取り扱うものとする。なお、割賦販売については、法第35条第2項の規定に基づき、現金販売価額と割賦販売価額が区分されている場合で、契約書に分割支払に係る利子額を記載したときは、その利子の額については、非課税となる。 また、法第37条第1項第3号又は第2項第2号の規定により、宅地建物取引業者は、契約を締結したときは、遅滞なく、「代金の額」又は「借賃の額」を記載した書面を交付しなければならないこととされているが、消費税等相当額は、代金、借賃等の額の一部となるものであり、かつ、代金、借賃に係る重要な事項に該当するので、「代金の額」又は「借賃の額」の記載に当たっては、「当該売買、貸借等につき課されるべき消費税等相当額」を明記することとなる。また、交換については、「交換差金の額」に関する事項として、「当該交換につき課されるべき消費税等相当額」を明示することとなる。同様に、法第34条の2第1項第5号又は法第34条の3の規定により、媒介又は代理契約を締結したときは、遅滞なく「報酬に関する事項」を記載した書面を交付しなければならないこととされているが、その記載に当たっては、当該報酬の額に含まれる消費税等相当額に関する事項についても記載することとなる。 なお、譲渡、賃貸等に課されるべき消費税等相当額は、法第47条第1号の重要な事項に該当することとなるので、宅地若しくは建物の売買、交換又は貸借の各当事者に対して故意に事実を告げず、又は不実のことを告げた場合には、法第47条違反となる。 また、消費税法第63条の2の規定により、不特定多数の一般消費者に対して物件価格、賃料等を表示する場合は、譲渡、賃貸等に係る消費税等相当額を含んだ額を表示しなければならないことに留意すること。 |
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監修者のコメント | |
消費税の非課税取引である住宅の賃貸借において、消費税を賃料とは別に受領することは不当である。知っていながら、あるいは知らないで、これを上乗せして請求している家主も見受けられるが、少なくともプロとしてはすべきではない。 |