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ここでは、当センターが行っている不動産相談の中で、消費者や不動産業者の方々に有益と思われる相談内容をQ&A形式のかたちにして掲載しています。
掲載されている回答は、あくまでも個別の相談内容に即したものであることをご了承のうえご参照ください。
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売買事例 0901-B-0092
中古住宅のリフォーム中の売買に伴う手付金等保全措置

 宅建業者が売主になっている物件で、まだ内装工事の終わっていないリフォーム中の物件を売買する場合、売買代金の100分の5を超える手付金を受領するときは、手付金等の保全措置を講じなければならないか。

事実関係
 
当社は媒介業者であるが、このたび宅建業者が売主になっている戸建住宅のリフォーム物件の売買の媒介をする。

ところが、この物件はまだリフォーム中で、外装は終わっているが、内装が終わっていないため、居住が可能だ(注)とはいえない状況にある。そのため、売買代金の100分の5を超える手付金を受領し、売買契約を締結するには、売主である業者に手付金等の保全措置を講じてもらう必要があるのではないかと迷っている。
(注)国土交通省のガイドラインによれば、手付金等の保全措置の適用条文を決定するための基準となる工事が完了しているか否かの判断は、「売買契約時において判断すべきであり、また、工事の完了とは、単に外観上の工事のみならず内装等の工事が完了しており、居住が可能である状態を指すものとする。」としている。
質問
1.

本件のリフォーム中の戸建住宅は、完成物件か、それとも未完成物件か。なお、リフォームの内容は、柱や床のリフォームはせずに、外装と玄関扉、壁紙、襖、障子、畳の取り替えおよび厨房、風呂場の改修程度で、総額約250万円位のものである。

2.

宅建業法第41条の2の規定(完成物件についても手付金等の保全措置を講ずる規定)は、同法第41条の規定の延長線上にある規定で、いわゆる青田売り物件が完成後まだ売れ残っている状態のものについて保全措置を講ずるように定めた規定なのではないのか。

回答
  1.結論
(1) 質問1.について—— 完成物件と考えるべきである。
(2) 質問2.について—— そうではなく、すべての完成物件(既存物件を含む。)について保全措置を講ずるよう定めた規定である。
 
2.理由
(1) 宅建業法第41条の規定(未完成物件について保全措置を講ずる規定)は、昭和40年代初頭からのいわゆるマンションブーム等による、それまでのいわゆる青田売りによるリスク、すなわち分譲業者の倒産等から購入者を保護するために、昭和46年の第6次業法改正で設けられたものであるが、第41条の2の規定は、それから17年経った時点で、それとは別の社会的経済的要請により、完成物件(既存物件を含む。)の購入者に対しても、同様の保全措置を講ずるよう定められたものである。したがって、第41条の2の規定は、第41条の未完成物件の延長線上にあるものではなく、広く一般の中古物件についても、その取引に当たって、一定の保全措置を講ずるよう定めたものなのである。
(2) ところで、本問のリフォーム中の戸建住宅を未完成物件と見るか、完成物件と見るかであるが、前述のとおり、業法第41条の規定(未完成物件について保全措置を講ずる規定)は、建物全体が未完成で、買主にとって極めてリスクの高い物件を売買契約の目的にする場合の規定であるから、同じ内装工事の未了といっても、本件のような既存物件をリフォームして販売するというような、建物本体がすでに完成している物件の内装未了のケースとは根本的に異なるものであると考えるべきである。
したがって、(最終的には都道府県や保証機関等が判断することではあるが、)本件のリフォーム物件の場合には、内装工事が未了であっても、完成物件を基準とした手付金等の保全措置を講じることで差し支えないと考える。
 
参照条文
  ○ 宅地建物取引業法第41条(手付金等の保全)
(1)  宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建築に関する工事の完了前において行う当該工事に係る宅地又は建物の売買で自ら売主となるものに関しては、次の各号の一に掲げる措置を講じた後でなければ、買主から手付金等(中略)を受領してはならない。(以下、略)
(2)〜(4)(略)
 
○ 同法第41条の2
(1)  宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買(前条第1項に規定する売買を除く。)に関しては、同項第1号若しくは第2号に掲げる措置を講じた後又は次の各号に掲げる措置をいずれも講じた後でなければ、買主から手付金等を受領してはならない。(以下、略)
(2)〜(6)(略)
 
監修者のコメント
 手付金等の保全措置について「完成」「未完成」によって適用除外要件を分けているのは、宅地建物を直ちに利用(建物であれば居住)可能な状態になったかどうかによって消費者保護措置を違えたほうが合理的と判断したからである。したがって、質問のケースは、【回答】のとおり「完成物件」と考えてよいであろう。
 
 なお、宅建業法第41条の2の規定は、もともと未完成のうちに売主業者が倒産してしまったケースが相次いで生じたために一般の買主を保護しようとして昭和46年に制定された第41条の立法趣旨が、完成物件についても当てはまるという考慮から昭和63年改正の際に設けられたものである。

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