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売買事例 0802-B-0054掲載日:2008年2月
中古マンションの売買に伴う修繕積立金の清算の是非
中古マンションの購入希望者から、「修繕積立金は、売主の既積立分が一旦売主に返還され、その返還分を買主が負担するというようなことになるのではないか」と質問された。どのように答えたらよいか。
事実関係 | |
当社は、媒介業者であるが、このたび中古マンションの売買の媒介にあたり、管理組合の理事長から、管理組合には多額の積立金があり、近々修繕計画が実施されると知らされた。 そこで、買主に対し、「このマンションは古いが、組合には多額の修繕積立金があり、近々修繕計画が実施されるので、外壁の塗装や設備を更新すれば、見違えるようになる。」と伝え、購入を勧めた。 すると、買主から、「マンションの修繕積立金は、売主が組合から脱退することに伴い、売主が今まで積み立てた分は一旦本人(売主)に返却され、再度自分(買主)がその積立分を支払うことになるのではないか。」という質問がなされた。 今までそのような質問をされたことがなかったので、念のため、そのことを管理組合に問い合せたところ、理事長は、「規約で、本人(売主)には返還しないことになっている。」というだけで、なぜそうなっているのかについての理由はわからないという。 |
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質問 | |
なぜ、そのような規約になっているのか。一旦、清算する方が正しいと思うが、どうか。 | |
回答 | ||||||||||||||||
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参照判例 | |||||||||||
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参照条文 | |||||||||||||||
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監修者のコメント | |
マンションの修繕積立金は、管理費と同様に、区分所有者としての義務に基づき支払ったものであり、一旦管理組合に納入された後は、管理組合の財産となり、個々の区分所有者は、管理組合が解散されない限り、支払額について個別の返還債権ないし持分債権を有するものではない。したがって、規約で「返還する」と決めているときは、その規約どおりの効力が認められるが、そのような特別の取り決めがない限り、区分所有者でなくなった者に返還する必要は全くない。本事案の「返還しない」との規約の定めは、当然のことを念のため明示したにすぎない。 もし、ご質問にあるように、一旦売主に返還され、買主がその返還分を支払うというものであれば、買主のその負担額は、宅建業法第35条の重要事項説明の対象としなければならない筈である。しかし、宅建業法35条を受けた同法施行規則第16条の2は、修繕積立金に関する規約の定め、すなわち月々の費用及びマンション全体の既積立額を重説の対象としており、マンション売買が行われたときの清算などは想定していない。 |