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ここでは、当センターが行っている不動産相談の中で、消費者や不動産業者の方々に有益と思われる相談内容をQ&A形式のかたちにして掲載しています。
掲載されている回答は、あくまでも個別の相談内容に即したものであることをご了承のうえご参照ください。
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また、参照条文は、事例掲載日現在の法令に依っています。

売買事例 0801-B-0051
取締役と会社との利益相反取引

自分が取締役になっている会社の社有物件の売却にあたり、自らが代表取締役となっている会社がその媒介をすることはできるか。

事実関係
 
当社は、媒介業者であるが、このたびある会社が所有している土地を売却する。しかし、その売却にあたっては、その会社の平取締役が会社の代理人となって売却することとし、その売却の媒介を、その平取締役が代表取締役となっている会社が行う。
質問
 このような売却方法は、法的に可能か。
回答
 
1. 結論

 可能である。ただし、売主会社の平取締役に別途代理権を授与する社内手続が必要なことと、売主会社から媒介会社に媒介手数料が支払われることから、売主会社と平取締役との間に利益相反取引の外形が生じるので、売主会社の方の取締役会(取締役会設置会社の場合)の承認が必要となると考えられる(会社法第365条第1項、第356条第1項第2号)。

2. 理由
(1)  媒介会社の代表取締役が、売主会社の取締役を兼務しているので、媒介会社の代表取締役としての媒介契約の締結は、売主会社の取締役としての忠実義務(会社法第355条)と衝突する。そこで、売主会社の取締役会において、その承認を必要とすると考えられるのである。
 しかし、この両社の関係が、完全親子会社の場合にあれば、両社は実質的に同一会社ということになるので、利害が衝突することはなく、親会社においても、子会社においてもその必要はないと解することができる。
 
(2)  なお、本件の売買契約においては、なぜか売主会社の平取締役が会社の代理人として売買契約を締結することになっているが、何も平取締役に代理権を授与したうえで契約を締結する必要はなく、社内手続を経たうえであれば、あらかじめ売買契約書に代表取締役の記名押印をし、それを平取締役が契約場所に持参すればよいのではないかと考える。
 
参照条文
 
○  会社法第355条(忠実義務)
 取締役は、法令及び定款並びに株主総会の決議を遵守し、株式会社のため忠実にその職務を行わなければならない。
○  会社法第356条(競業及び利益相反取引の制限)
(1)  取締役は、次に掲げる場合には、株主総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。
一.  取締役が自己又は第三者のために株式会社の事業の部類に属する取引をしようとするとき。
二.  取締役が自己又は第三者のために株式会社と取引をしようとするとき。
三.  株式会社が取締役の債務を保証することその他取締役以外の者との間において株式会社と当該取締役との利益が相反する取引をしようとするとき。
(2) (略)
○  会社法第365条(競業及び取締役会設置会社との取引等の制限)
(1)  取締役会設置会社における第356条の規定の適用については、同条第1項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。
(2) (略)
 
監修者のコメント
 「利益相反取引」に該当するかどうかは、ケースごとに判断すべき微妙な問題であるが、商法356条の趣旨が、利害衝突を回避し、会社の損害を防止する趣旨であるので、その法律行為等が会社に不利益を生ずるものか否かの実質的判断をする必要がある。本ケースでは、【回答】に加えるものはない。
 ちなみに、一般向けに価格が決定された分譲マンションを取締役が他の購入者と同様の条件で購入する場合は、裁量によって会社の利益を害するおそれがないので「利益相反取引」に当たらないと解される。

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