不動産エバリュエーションWatching

(公財)不動産流通推進センター編集・発行(発売:(株)大成出版社)の月刊誌『不動産フォーラム21』では、表紙において、特徴のある既存建物の有効活用事例を取り上げています。ここでは、その内容を転載し、ご紹介致します。

2023年03月29日公開 

国交省の長期優良住宅化リフォーム補助金のおかげで(2022年11月号)

表紙 サブ1 サブ2 サブ3 サブ4

昭和57年に新築されたこちらの建物は、築40年となり至る所に劣化が見られ、建て替えた方が良いのではないか? という印象を受けました。
建物維持のために軽微な修繕は行われていた形跡はありますが、水回りや外壁、雨漏りなど耐用年数を超えているものばかりで傾きもあり、安価に修繕を行うのは不可能な状態でした。
しかし、立地条件的に更地ですぐ売れる案件でもなく、リノベーションを計画しました。
原状復帰では現行の新築基準に比べ著しく劣り、かつ修繕箇所も多くなり、再販の条件に説得力が薄い状態でした。そこで、長期優良住宅の認定+耐震、断熱化をすることで新築建売と同等かそれ以上の性能を持たせて販売していくことを決意しました。
どちらかというと人気のない住宅地、新築を建てる候補地には挙がりにくい少し不便な場所。雨漏り、傾きのあるこの家は、例外なく買い手のつかない、解体前土地として売られていました。2間続きの和室と6畳の台所、40年前は一般的だった間取りも現在のニーズには合いません。今回も極力建てた時の構造体を壊さずに現代のライフスタイルに合う暮らし良い間取りを考えました。家事1周動線、冷暖房効率を下げずに広い空間を確保するためのアーチ垂れ壁間仕切りなどを設置しました。収納を各所に設け、2階には不要な玄関吹き抜けに床を張り、大容量収納のウオークインクローゼットを配置しました。
また施工費用が嵩むことを理由に敬遠されがちな断熱性能の向上、耐震性能の向上を行うために国交省の【長期優良化リフォーム補助金】を活用し200万円の補助金を取得し、土地建物で1780万円(税込)と高性能な割に安価に販売できました(耐震等級1相当、断熱等級4相当)。


after

before

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所 在 新潟県新潟市
築 年 月 1982年10月
構 造 在来軸組工法
リノベーション面積 103.51m2
施工期間 3ヶ月
資料提供:株式会社まごころ本舗
「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2021」R5アフォーダブル性能リノベーション賞受賞作品(株式会社まごころ本舗)

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