不動産エバリュエーションWatching

(公財)不動産流通推進センター編集・発行(発売:(株)大成出版社)の月刊誌『不動産フォーラム21』では、表紙において、特徴のある既存建物の有効活用事例を取り上げています。ここでは、その内容を転載し、ご紹介致します。

2023年03月20日公開 

都市型戸建てを再構成する。(2022年10月号)

表紙 サブ1 サブ2 サブ3 サブ4

新型コロナウイルスの感染拡大や、リモートワークの環境が整ったことにより働き方や暮らし方の変化が取り沙汰されています。首都圏でも、都心一極集中の傾向にも少し変化が見られるようです。では、引き続き都市に住み続ける人の暮らしはどう変わるのか? 本事例は、都市に住む人のこれからの住まいに着目し、都市型の狭小戸建てをリノベーションしたケーススタディ住宅です。
リノベーションの対象としたストックは神戸市の中心街から電車と徒歩で20分程度の1985年築、間口約3m奥行き約10mのコンパクトな3階建ての都市型住宅。外装内装共に傷みが見られ、至る所で雨漏りがしている状態でした。また、建物の中央にある階段により空間が分断され、部屋は暗く、使いにくい状態でした。一方で屋上から北には六甲山、西には三宮の街を見渡す開放感は格別! この気持ち良さを残したいと、リノベーションに踏み切りました。
物件を特徴づけるのは1階に設けた「ハナレ」と名付けたワークスペースと、約25㎡の屋上「スカイヤード」。「ハナレ」でイメージしたのは、昔ながらの住宅の離れや農家の納屋、商店街の店舗併設住宅。住まいの中にありながら、2、3階の生活スペースとは少し切り分けた空間とする動線を計画。「スカイヤード」は、日常生活から気分を切り変えて楽しめる非日常感を演出しました。
1階は階段を架け替えて広い空間を確保。水回りを移設することによって、居室の採光を確保できるように配置。また、再販物件としては、一部解体調査によ る構造計算と工事部分の遵法性チェックを実施。R5住宅と既存住宅瑕疵保険の基準に適合するように計画を進め、安心して住まいとして検討できる物件を目指す と同時に、住宅ローン減税と住まい給付金の適用を可能としました。


after

before

plan

物件名称クラフトハウス六甲道
所 在 兵庫県神戸市
築 年 月 1985年8月
構 造 鉄骨造3階建
リノベーション面積 81.13m2
施工期間 4ヶ月
設計・施工 株式会社アートアンドクラフト
資料提供:株式会社アートアンドクラフト
「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2021」1000万円以上部門最優秀賞受賞作品(株式会社アートアンドクラフト)

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