(公財)不動産流通推進センター編集・発行(発売:(株)大成出版社)の月刊誌『不動産フォーラム21』では、表紙において、特徴のある既存建物の有効活用事例を取り上げています。ここでは、その内容を転載し、ご紹介致します。
2023年03月13日公開
築40年の家を減築を施し、物置化していた広縁を軒下空間のある縁側にした。2つだった敷地をつながりが持てるように庭をつくり、道路面から段差があることで視線を遮り、御簾戸で庭を楽しめるように工夫した。そして道行く人もどこか懐かしさを感じる外観にRe-Designした。
素材選びのポイントは2つ。1つ目は地域の素材(木・紙・タイル・鉄)を選んだ。工業生産品ではない味わい、本物だけがアンティークになる風合いに、FASTかつFAKEではない「本物」に再びイニシアティブをとらせたいのだ。2点目はメンテがかからない素材を活用し、生涯コストを建替よりも経済的だという提案の素材選びとした。間取りのポイントは、住み手の慣れ親しんだ「座」と「椅子」の視線のズレをあえて段差を用いることで緩やかにつないだ。
またコロナ禍で見直された、家族それぞれの「個」のワークスペースを、オープンに「個」になる、クローズに「個」になるスペースとして工夫し設置。建物性能は上部構造評点を0.20→1.58、UA値0.92→0.44、ηAC値7.1→1.2へ劇的に性能向上し、リノベーションの本質である「機能と価値の再生」も担保し、安心と快適を含有した。
物件名称 | : | 中山道脇のロングライフシンボル、町並みを応援する家 |
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所 在 | : | 岐阜県岐阜市 |
築 年 月 | : | 1981年9月 |
構 造 | : | 在来木造 |
リノベーション面積 | : | 134.47m2 |
施工期間 | : | 144日 |
資料提供:株式会社WOODYYLIFE | ||
「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2021」地域貢献リノベーション賞受賞作品(株式会社WOODYYLIFE) |