不動産エバリュエーションWatching

(公財)不動産流通推進センター編集・発行(発売:(株)大成出版社)の月刊誌『不動産フォーラム21』では、表紙において、特徴のある既存建物の有効活用事例を取り上げています。ここでは、その内容を転載し、ご紹介致します。

2021年03月22日公開 

リモートワーカーの未来形。 木立の中で働く。住まう。(2021年3月号)

表紙 サブ1 サブ2 サブ3 サブ4

築50年ほどの別荘地に建つ祖母の家。手入れの行き届かない状態となって時が経ち、ウッドデッキは朽ちて穴が開き、屋根にはコケが生え雨漏りもしていました。別荘地の中で本に囲まれて暮らしていたお祖母さまのところにはよく遊びに行っていたという施主さま。空き家になってしまったその家を活かしたいと親族で相談した結果、駅までの近さや都心への利便性など住む場所に限定されないお仕事をされている施主さまが引き継ぐことになります。一人で暮らすには間取りに問題はありませんでしたが、雨漏りにより傷んでいた室内は木製のサッシで、建物の強度に加え、冬の寒さが思いやられる状態でした。まず安心して住める状態にしてほしいというのが第一希望。住まいと仕事場が同じなので無駄なくシンプルに、ミニマムな住まいにしてほしいというご希望でした。
プログラマーのお仕事をされている関係上室内にいる時間が主と考えられるので、ありきたりですが長く安心して住めること。かつ、オンとオフのメリハリのつけやすい住まいであることをコンセプトととらえました。
室内環境の整備は必須でしたので、単に雨漏りの修繕にとどまらず築年数も考慮。スケルトンにして基礎・金物の補強、耐力壁の再配置など耐震性能を向上。更に床、壁、屋根の3方を気密性、断熱性の高い発泡ウレタンで覆い、室内のどこにいても温度差を最小限に抑え、体に不必要な負担をかけないように配慮しました。
リモートワークというメリハリのつきにくい生活の中、スケジュールの切り替えがスムーズにできるように、趣味を楽しむアトリエ兼寝室である個室と、広いLDKという単純な間取りに。白と淡いグレー、明るい木目で内装をまとめて視覚からの刺激も抑え、自由度の高いミニマムなインテリアスタイルにしています。その中で変化をつけたのはリビングの床高。ステップダウンフロアに変更し、視線の高さを変化させることで窓外に広がる木立の地面とのレベル差を抑え、風景の中に入り込むかのような臨場感のあるリビングをつくりました。集中しやすくストレスのない静かな環境の中、お伺いするごとにベッドやデスクの位置を移動されていて、風景の変化を楽しんでいらっしゃいました。


after

before

plan

©︎Copyright2020株式会社フレッシュハウス
物件名称リモートワーカーの未来形。木立の中で働く。住まう。
所 在 山梨県
築 年 月 1970年7月
構 造 在来木造平屋建て
間 取 り 1LDK
リノベーション面積59.63m2
施工期間5ヶ月
施工費用998万円
「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2020」総合グランプリ受賞作品(株式会社フレッシュハウス)

フォローアップカレッジ2025

フォローアップカレッジ2024

集合研修で学習

不動産コンサルティング技能試験