不動産エバリュエーションWatching

(公財)不動産流通推進センター編集・発行(発売:(株)大成出版社)の月刊誌『不動産フォーラム21』では、表紙において、特徴のある既存建物の有効活用事例を取り上げています。ここでは、その内容を転載し、ご紹介致します。

2020年07月30日公開 

おおすみの人と自然が先生です。『ユクサおおすみ海の学校』(2020年7月号)

表紙 サブ1 サブ2 サブ3 サブ4

「ユクサおおすみ海の学校」は2013年に閉校となった小学校の廃校活用による用途変更。鹿屋市より旧校舎および敷地を公募を経て借り受け、体験滞在型宿泊施設および観光拠点施設としてリノベーションした。
施設のコンセプトは「おおすみの人と自然が先生です」。小学校だったという歴史を活かし、子供たちも、大人たちも、体験を通して楽しみながら学ぶ場をつくることを目指している。そしてここ大隅半島における素晴らしい日常と滞在体験型観光の発掘・促進および県外、国外へ向けてその魅力を発信していきたいと考えている。
施設の概要としては、観光やスポーツ合宿、企業や大学などの研修、修学旅行など体験学習等の収容人数116人の宿泊施設。また、錦江湾しおかぜ街道における立寄り地点として、食堂、地域の産品を扱うショップ、チョコレート工場、自転車ストアを併設した複合施設となっている。目の前に広がる海、自由に使える教室、体育館、グラウンド、美味しい食事に様々な体験アクティビティなど、ここだからこそ実現可能な合宿・研修が可能である。
施設のリノベーションから運営まで手掛ける株式会社Katasuddeは、東京でリノベーションを手掛けるブルースタジオと鹿屋市でまちづくりに取り組む大隅家守舎の役員によって構成された会社。リノベーションにおいては学校だったからこその空間と多様性を最大限活かし、利用者が自由自在に楽しめる「隙間と楽しさ」をデザインした。企画・設計だけでなく運営まで手掛けることにより、この学校や地域の持つ物語や魅力を読み解きながら、地域や関係者の力や思いを少しずつ巻き込み、この施設を一緒に一歩ずつつくりあげている。
地域にとって小学校が廃校になるというのは地域から子供たちがいなくなるということを意味し、絶望感を感じたという。しかしこの施設ができたことで、廃校となっていた小学校に子供たちの笑い声や人の流れが再び戻り、地域の活性化に少しずつ繋がっていると感じてきている。


after

before

plan

物件名称ユクサおおすみ海の学校
所 在 鹿児島県鹿屋市天神町
築 年 月 1976年2月
構 造 RC造2 階建て 他
敷地面積 17,515.78m2
床 面 積校舎1,219.75m2、体育館476.06m2
費 用 7,000万円(税込)
施工期間4ヶ月
リノベーション竣工 2018年7月
建 築 主(株)Katasudde(ブルースタジオ+大隅家守舎)
設 計(株)ブルースタジオ+(株)プラスディー設計室
「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2019」地域資源リノベーション賞受賞作品(株式会社プラスディー設計室)

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