不動産エバリュエーションWatching

(公財)不動産流通推進センター編集・発行(発売:(株)大成出版社)の月刊誌『不動産フォーラム21』では、表紙において、特徴のある既存建物の有効活用事例を取り上げています。ここでは、その内容を転載し、ご紹介致します。

2020年04月28日公開 

郊外大家さんは農と緑でバトンタッチ(2020年4月号)

表紙 サブ1 サブ2 サブ3 サブ4

川崎市鷺沼は、かつての農村集落「有馬」地域から発展した地です。
大家は鷺沼の旧家で農業を営む一方、沿線の宅地化に合わせ、大家業を営んできました。農地から宅地への変化の時代に、大家業をはじめた祖父。資産を受継ぎ、事業承継に向けた準備をする父。そして将来それらを受け継いでいく息子。家業に戻ってきた息子は、新しい農業の形として、父の畑の隣でグリーンショップをはじめました。
一家には、大家業と農家業、そして世代の転換期が訪れていました。これまで別々に営んできた大家業と農家業をつなぎ、地域に根ざした生活環境価値を継承していくことを目指します。
元々駐車場だった空地を、地域に開かれた庭へと活用し、有馬の里山の植生を取り入れた雑木林や丘を再現。子育て世代が、安心して子供を遊ばせられる場所です。また人通りが多い道路に面して、エントランス棟を増築。ここに息子が営むグリーンショップが不定期で訪れ、グリーンを介して入居者と地域との交流が生まれることも期待されます。さらに無機質だった外壁には、農作物の生命力や有馬の里山の風景をイメージさせる壁画を描きました。
高齢化と人口減少がすすむ、東京郊外ベッドタウン。その社会課題に対して賃貸住宅と地域の大家が果たすべき役割とは、消費されない誇りある住環境を自らが当事者として育むこと。ビジョンある 住環境の価値を「継承」によって再構築するプロジェクトです。


after

before

plan

物件名称郊外大家さんは農と緑でバトンタッチ
所 在 神奈川県川崎市
築 年 月 1977年4月
構 造 鉄筋コンクリート造5階建て
間取り 2LDK
リノベーション
面積
999.99m2
施工期間8ヶ月
形 態 賃貸リノベ
「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2019」事業継承リノベーション賞受賞作品(株式会社 ブルースタジオ)

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