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ここでは、当センターが行っている不動産相談の中で、消費者や不動産業者の方々に有益と思われる相談内容をQ&A形式のかたちにして掲載しています。
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売買事例 0707-B-0026
売買契約締結後の買主の死亡

売買契約締結後、残金決済前に買主が死亡したら、売買契約はどうなるか。

事実関係
 売買契約締結後、決済・引渡し前に買主が死亡した。買主は、ローンの申込みはしていたが、その実行はなされていない。しかし、ローンの融資の内諾は得られている。
質問
このような場合、媒介業者としてどのように対応したらよいか。
回答
1.結論
相続人の意向次第である。
2.理由
(1)  買主が死亡しても、その地位(買主としての権利義務の一切)は相続人に承継される(民法第896条)。したがって、相続人に売買契約を引き継ぐ意思がなければ、あとは解約手付の交付により解除権が留保されているのであれば、手付放棄により契約を解除することもできるし、ローン条項により契約を解除するということもできる。
(2)  ただ、本件の場合には、すでに融資の内諾が得られているため、ローン条項による契約解除はできないということにもなりかねないので、媒介業者としてはその点を注意する必要がある。しかし、融資の内諾が得られているといっても、それは死亡した買主との間の内諾であって、相続人との間のものではないので、通常の金融機関の扱いとしては、融資の申込みはなかったものとして扱われる。したがって、もし相続人が売買契約を引き継ぐということになれば、(保険金などで一括払ができるのならともかく)改めて相続人がローンの申込みをしなければならないし、その点についての金融機関や売主との対応も出てくるので、とりあえずは一旦白紙に戻す方向で対応するのが適当ではないかと考えられる。
(3)  また、相続人が複数の場合には、誰がその権利義務を承継するかという問題が生じるが、それがはっきりするまでは、相続人全員が共同で相続することになる(民法第898条)。したがって、その間は、原則として相続人全員がその相続分に応じた権利義務を承継するということになるが(民法第900条)、本件のような不動産(高額商品)の購入の場合には、(これから相続人が代金を支払っていくということになるので)その引き継ぎの有無については比較的早く結論が出るのが通常であり、すべての遺産相続が終了まで待つというようなことにはならないと考えられる。
参照条文
○ 民法第896条(相続の一般的効力)
相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属(注)したものは、この限りでない。
(注) 被相続人の一身に専属する権利義務としては、たとえば、個人間の信用を基礎とする代理権、委任契約に基づく委任事務の処理義務、親族間の扶養請求権、夫婦間の契約取消権などがある。なお、身元保証契約に基づく身元保証債務は、身元保証人の相続人には原則として承継されないが(【参照判例】参照)、「賃貸借契約」における保証人の保証債務や責任限度額の約定のある保証人の保証債務は、相続人に承継される(【参照判例】参照)。
 
○ 民法898条(共同相続の効力)
相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。
 
参照判例
○ 大判昭和18年9月10日民集22巻948頁ほか(要旨)
 「身元保証に関する法律」の施行の前後を問わず、身元保証は特別の事由がない限り身元保証人の死亡によって消滅し、相続人はこれを承継しない。
 
○ 大判昭和9年1月30日民集13巻103頁ほか(要旨)
 賃貸借契約における保証人の相続人は、相続開始後に生じた賃料債務についても当然にその保証債務を負担する。
 
○ 大判昭和10年3月22日法学4巻11号101頁(要旨)
 責任限度額の約定のある将来債務の保証人を相続した者は、相続後の取引による債務についても約定金額の限度において保証債務を負担すべきである。
 
監修者のコメント
 契約締結後、履行完了前に契約当事者が死亡した場合、契約関係が自動的に消滅するか、少なくとも相続人は契約の解除ができると誤解している人がいるが、当事者の権利義務を相続人が当然に承継することになるので、それを前提に話し合いで解決することが望ましい。

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