不動産有効活用専門士コース2017
2日間のディスカッション&プレゼンテーションの新カリキュラム!
修了試験の結果、新たに35名の不動産有効活用専門士が誕生しました。
今年の「不動産有効活用専門士コース」は、2月に東京(市ヶ谷)で実施し、事前課題を解答された42名が参加されました。当コースでは、業界を牽引する4名の先生方により、事例を交えた講義が行われるとともに、今年度から3日間のコースのうち2日間がプレゼンテーションのあるカリキュラムとなり、2日目は建物、3日目は土地の有効活用を想定した課題に対して、活発な議論が行われました。
1日目
初日は塩見先生による講義で始まり、地価の歴史的変遷から、人口構造、産業構造などの変化、CRE戦略などについて学び、土地調査の4つのポイントから、社会の流れや時代の方向性を見据えながら立地診断などにつなげていく、視点を転換する考え方についてご講義いただきました。午後からは中城先生が建物の有効活用総論として、まず欧米の建物を資産として生かす事例を紹介。続いてモジュールや住宅の間取り、コンバージョンについて学習し、権利調整が必要な貸宅地の整理、等価交換事業、共同ビル事業について専門的な知識と対策の理解を深めていただきました。
不動産有効活用の考え方(総論) -時代の流れに見る不動産(土地)活用- ・土地価値はなぜ高まったのか ・土地白書にみる不動産を取り巻く環境の変化 ・不動産におけるリスクの顕在化 ・なぜCRE(FRE)の視点が重要になったのか ・土地調査の4つのポイント 講師:塩見 哲 氏 [ダンコンサルティング(株)代表取締役] |
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建物の有効活用総論 ・ストック社会の不動産 ・住宅を資産として生かす 空間を組み立てるモジュール ・空間を構成する基本寸法(モジュール) ・間取りの変更 ・事務所から住宅へのコンバージョン 権利調整 ・貸宅地の整理 ・等価交換 ・共同開発(共同ビル建設) 講師:中城 康彦 氏 [明海大学不動産学部長・不動産学部教授、一級建築士、不動産鑑定士] |
2日目
2日目は、藤澤先生の講義で建物有効活用における投資判断手法について学び、午後からはこれを踏まえ、設定課題についてグループディスカッション。様々な投資目標を持つ家主を想定し、(1)需給ギャップの判断、(2)投資分析に基づく論理的な提案内容の構築、(3)リスク軽減のためにDCR(収入と支出のバランス指標/返済倍数)を上げる方法を各グループが真剣に構築していきました。他のグループのプレゼンテーションに新たな発見と刺激を受けながら、現場で即実行できる提案内容を修得していきました。最後に新しい試みとして、スマホを用いた優秀グループの投票を行い、大変活気に満ちたプレゼンテーションとなりました。
投資判断の手法 ・投資指標の基礎知識 ・各種投資指標の関係 ・リニューアル時の投資判断 収支判断の仕方~中長期的な視点で考える (グループディスカッションの課題説明) ・グループ討議・プレゼンテーション ・プレゼンテーションの結果発表と講評 講師:藤澤 雅義 氏 [(株)アートアベニュー代表取締役社長 / オーナーズエージェント(株)代表取締役社長] |
3日目
3日目の石垣先生による土地有効活用では、事業収支の知識として財務三表の講義から入り、2日目同様、課題についてグループディスカッションへ移行。自己所有地に店舗建物を建築し、ある企業に賃貸している地主を想定。現契約の解約後に、(1)既存建物をそのまま賃貸、(2)取壊し後、新築、(3)取壊し後、土地のみの賃貸とする場合の留意点と提案内容を競い合いました。新たな契約で地主が不利にならないための留意点や、不動産有効活用専門士として必要な契約条項の理解等、土地活用コンサルの導入部を深く掘り下げた内容となりました。人間関係も深まったメンバーにより、この日も熱い議論が繰り広げられました。
不動産オーナーの気持ちになって考える ・不動産オーナーと共有しておきたいこと ・事業収支の組み方・考え方の知識 (グループディスカッションの課題説明) ・グループ討議・プレゼンテーション ・プレゼンテーションの結果発表と講評 講師:石垣 雄一郎 氏 [ダンコンサルティング(株)取締役] |
修了試験の結果、35名の不動産有効活用専門士が新たに誕生しました。
「公認 不動産コンサルティングマスター 不動産有効活用専門士」として自己研鑽していただく勉強会の場を、さらに数多く設けていきたいと考えております。(事務局)◆次回の不動産有効活用専門士コースの開催は2018年2月ごろを予定しております。
2017年の実施概要はこちら