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公益財団法人 不動産流通推進センター認定資格

コンサルティング事例発表会&懇親会レポート2017

去る平成29年11月1日(水)、不動産コンサルティング制度発足25周年を記念した「公認 不動産コンサルティングマスター コンサルティング事例発表会」(第1部事例発表会/第2部交流会)を開催しました。これまでは、公認 不動産コンサルティングマスター(以下、マスター)の「相続対策専門士」と「不動産有効活用専門士」の方を対象として開催していましたが、制度発足25周年を記念して、マスター全体に対象を拡大いたしました。
当日は約60名の聴講者の方にご参加いただきました。


発表会風景


開催にあたっては「相続対策」と「不動産有効活用」の2部門を設け、日本全国のマスターの方々へ幅広く呼びかけ、コンサルティング事例レポートを募集しました。

第1部の事例発表会では、選ばれました発表者様自らに解説していただくことで、事例体験の共有化を図り、マスターの皆様のコンサルティング業務の推進に役立てていただくことを目的といたしました。

それぞれご自身の案件に対する思いが伝わる素晴らしい発表内容となり、今回「相続対策部門」3事例、「不動産有効活部門」3事例の計6事例の発表の中から、各部門の最優秀賞として、「相続税制と時流を味方につけた相続コンサルティング!(佐藤 雄樹氏/株式会社brands)」「カトリック修道院の一部をシェアハウスに(大倉 信吾氏/一級建築士事務所大倉建築設計室)」が選ばれました。


相続対策部門 最優秀賞
佐藤 雄樹氏/株式会社brand
不動産有効活用部門 最優秀賞
大倉 信吾氏/一級建築士事務所大倉建築設計室


あわせて、各専門士の認定コース統括講師をしていただきました、塩見哲先生(不動産有効活用専門士 統括講師)と福田郁雄先生(相続対策専門士 統括講師)に、ご講演をいただきました。

続く第2部の懇親会では、塩見 哲先生、福田 郁雄先生の他、ゲストとしてお出でいただいた内山博文氏(u.company株式会社 代表取締役/一般財団法人リノベーション住宅推進協議会会長)を交え、マスター同士の活発な情報交換、交流が行われました。



懇親会にて(会場:<Nagatacho GRID> Space0

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相続対策部門 事例発表(概要)


公認 不動産コンサルティングマスター
T家の生前相続対策
発表者:川本 善人 氏

事例は、現在一人暮らしの父の近隣に住んでいる長女様からの相談です。
お父様は以前個人で営んでいた印刷会社の事務所があるビル内で暮らしています。不動産の他に現金を持っており、最近物忘れが多くなり認知症が心配です。健康状態を考えると、事業を続けていくことができるかも心配です。近くで暮らしている相談者様夫婦は共に公務員で仕事をしているため、副業として父の事業を手伝うことができるかわからず、また副業ができたとしても、お父様の事業を手伝う時間が殆んど取れません。これから先、どうすれば良いか、またどこに相談したら良いのかわからず困っている、というご相談でした。
ご家族みなさんへの希望、次の世代への資産承継を第一に心掛け、コンサルティングを行っていった事例です。



公認 不動産コンサルティングマスター 相続対策専門士
共有物分割と民事信託
発表者:高橋 壽美夫 氏
株式会社NSレジデンス 会長
詳細Profile
http://www.nissyo-r.com/

1年近くに及んだ不動産コンサルティングでしたが、信託契約に基づいた賃借人との間の賃貸借の再契約を次女の方と終え、企画提案に基づいた依頼者とのコンサルティング契約の目的を果たしました。今回のコンサルティングに際して賃貸借契約解除の助言に弁護士、登記事務に司法書士、測量事務に土地家屋調査士、税務処理に税理士と不動産コンサルティングに欠かせない専門家を相続対策コンシェルジュとしてグループ化しました。将来の不安・不測の事態を予見されるような相続対策をさける意味でも、相続対策専門士によるワンストップサービスが可能となる連携した体制を作れたことを、成果としてご報告いたします。




公認 不動産コンサルティングマスター 不動産有効活用専門士・相続対策専門士
相続税制と時流を味方につけた相続コンサルティング!
発表者:佐藤 雄樹 氏
株式会社brands 代表取締役
詳細Profile
https://ja-jp.facebook.com/brands.souzoku/

クライアント様から「母は、かれこれ3年間入院し療養中です。父は、毎日病院に母のお見舞いに行くことを楽しみに生活していましたが、半年前に末期がんだと宣告されました。父は自身に相続が起きた時のことを考え、療養中にも関わらず、暇さえあれば相続税の勉強をし、二か月前に節税のために新築戸建てを購入しました。ところが、従来地主業の当家は、父に相続が発生すると、2億4千万円もの相続税が発生します。自宅をはじめ、土地は、なるべく売りたくありませんが、これまで土地の切り売りを繰り返してきたのが実情です。母・父の療養費が毎月30万円以上かかるため、療養費の捻出も厳しく、相続時の納税資金に不安を抱えています。」とのご相談でした。6つの複合的な提案効果によって、納税資金の確保・納税額の削減だけでなく、生活資金の確保・不要資産の効果的な処分を可能とすることができたコンサルティング事例です。

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不動産有効活用部門 事例発表(概要)


公認 不動産コンサルティングマスター 相続対策専門士
土地の有効活用~土地を分割して段階的に活用する
発表者:金城 久雄 氏
有限会社 Iホーム不動産コンサルティング 代表取締役
詳細Profile
http://iokinawa.ti-da.net/

土地有効活用提案は、現在の社会情勢を含め将来予見できるリスク(人口減少の変化など)を考慮に入れ短期、中期、長期的視点に立った提案を行うことが重要だと改めて実感しました。コンサル業務内容、特に建築、設計関係者との間で行われる目に見えない業務(請負金額交渉や現場で対処したことなど)、クライアントにしっかり伝えることによって公認 不動産コンサルティングマスター(マスター)の立ち位置を知ってもらい、お互いに感謝する気持ちをつくり上げることもマスターの役割だと感じ、一層の改善を図りマスターの重要性を広く認知していただくことに励んで行きたいと思いました。



公認 不動産コンサルティングマスター
地域での新たなエネルギー社会構築に向けた取り組み
発表者:皆川 克久 氏
皆川事務所・不動産部・不動産コンサルティング部

この事業出発発想は、単なる大型住宅団地の提供では許されない、歓迎されない事業であることを決断したところからでした。当時、地球温暖化による異常気象による災害発生問題解決策と相まって、東日本大震災、再生エネルギー活用(太陽光発電・風力他)策が叫ばれ、同時に水素エネルギー活用CO2排出ゼロ、未来型FCV燃料電池車の発売も話題となっていました、基本コンセプトは、電力会社からの電力供給は予定せず、エネルギーの自給自足を基本に、東日本大震災で体験し学んだ、災害にも非常に強いまちづくりを実現するというものです。




公認 不動産コンサルティングマスター
カトリック修道院の一部をシェアハウスに
発表者:大倉 信吾 氏
大倉建築設計室 一級建築士

当該建物は、約17年前に、善き牧者愛徳の聖母修道会の付属宿舎として建設されました。修道会の使徒職として、学生と社会人のための寮と、多目的のショートステイ宿泊所として使用されてきました。聖堂、修道院部分、管理棟とこの宿舎棟は庭園を介した廊下で繋がれています。建物全体の維持費用のうち、無住の宿舎棟部分の維持費用が看過できない状態になりました。
聖堂での礼拝や修道女(シスター)達の生活を乱すことは避けなければならないことなどから、安易な一般的な宿泊施設としての利用はできません。信仰を持っておられる方たちと交流できる機会を与えていただいたことに感謝し、期待にお応えできるよう、喜びを感じながら計画策定に取り組もうと決意し、実現した事例です。


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